![]() ![]() |
|
Sonazoidが市販されたのは2007年1月であり、第10回の造影超音波シンポジウムが開催される2008年12月には、市販されてから2年が経過することになる。現在本邦で使われるSonazoidは、年間10万バイアルのペースである。保険の適応症が肝腫瘤性病変の診断なので、多くのSonazoidが、肝癌の診断と治療効果判定、そして転移性肝癌の検出に使われていると思われる。 一方、Levovistは年間2万バイアルが使われ、半分ずつがそれぞれ心臓と卵管造影に使われていると言われる。 Sonazoidは、肝腫瘍以外に、臨床研究として膵臓、胆道、腎臓、前立腺、乳腺、甲状腺などに使われ、その診断的な有用性が報告されるようになってきた。また、皮下注射によるセンチネルリンパ節造影や、動注による選択的造影の報告も散見されるようになった。 一方海外に目を向けると、欧州、中国でSonoVueの使用量が増えている。とくに肝腫瘍の診断に使われる症例が増えている。多くの国でがん患者の増加があり、同時にがんの治療法が進歩していることもその背景にあるものと思われる。多くの臓器のがんにおいて、局所治療などの低侵襲性治療が進歩している。また、がんの化学療法や、血管新生因子阻害薬などの分子標的治療が進歩し、それらの治療評価や効果の予知を正確に行うことの臨床上の必要性が増してきたこととも無縁ではない。 第10回の記念大会とも言える今回のシンポジウムでは、国内外から招聘演者を迎えて、上記のような造影超音波の研究の最前線を話していただくと同時に、一般演題としてポスターのみならず、口演としての演題も発表していただき、臨床における多くの知見が披露され、議論白熱した実りの多い会になればと祈念している。
|