平成16年 2月16日
各  位
                               中央検査部 部長
                                  福武 勝幸
 
FDP測定法についてのお知らせ
(新基準値と旧FDP-E測定値との関係)
 
 当院では2月10日(火)検査分から、FDPの検査は日常検査と緊急検査ともに、抗凝固薬として3.2%クエン酸ナトリウムの入った採血管に採血した血漿を検体とする新しい検査法に変更いたしました。 この変更にともない、日本でのDICの診断基準等に用いられているFDPの値と同一の単位と基準範囲を用いて臨床判断が出来るように調整いたしました。ただし、日常検査室と緊急検査室では異なる機器により測定を行うため、両者の値は症例によっては乖離することがあります。治療経過を追うための検査はなるべく日常検査室へご依頼いたたきますようお願いいたします。
旧法(FDP-E)と新法(FDP)との関係を臨床検体によって分析した結果がまとまりましたのでご報告いたします。臨床検体でも概ね良好な相関関係があります。FDP-Eの基準値100ng/mlは新FDPの2.8μg/mlに相当します。
FAQ
ご質問の多い問題と回答をまとめると以下のようになります。
日常検査と緊急検査
 日常検査と緊急検査の両方で同じ検体を測定した結果は下記の通りです。測定に使われている抗体が異なるため、症例によっては測定値が多少乖離します。継続的な観察は日常検査室への依頼に統一してください。
DIC診断基準などの利用
 今回の変更により、当院のFDP値は日常検査と緊急検査の両方とも、直接検査値を診断基準のカットオフ値と比較することが出来るようにいたしました。DICスコアの計算に際しましては10μg/ml、20μg/ml、40μg/mlがそれぞれの振り分け値になります。
本院でのFDP測定値の最新の状況
 正式な基準範囲を定めるには、長期間の分析が必要になりますが、下記は2日間の検査結果を解析したものです。従来のFDP-Eのカットオフ値100ng/mlに相当する値は、2.8μg/mlですが、下図を見る限り概ね3μg/mlまでは正常者分布で、3から4の間が境界域で、4以上は病的領域の可能性があるように見えます。(これは暫定的判断です。)
当院のFDP基準値についてのお願い
 新FDP検査の導入に際して、基準範囲はDICの診断基準に用いられているカツトオフ値である10μg/ml以下と表示いたしましたが、FDP-Eの時期の基準値100ng/mlに相当する値についてのご質問を多くいただいているため、当院の基準値をFDP-Eのときの100ng/mlに相当する値である2.8μg/mlに変更させていただきます。この値は当面の間の暫定基準値とし、今後の検討により変更の必要性が生じた場合は改めてお知らせします。
 なお、DICスコアの計算に際しましては10μg/ml、20μg/ml、40μg/mlがそれぞれの振り分け値になりますことをご承知ください。
 
以上、ご理解の程、よろしくお願いいたします。