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ミニコミ誌「みどりの丘」

2008年04月1日発行 今月のおはなし

妊娠糖尿病について

産科・婦人科 講師 野平 知良

人は誰しも自分の子供は無事に産まれて欲しい、何ら妊娠中に異常は発生して欲しくないと考えます。当り前と言えば当り前の話ですが…

日本では昔から“妊娠は病気ではない”という信仰が強く信じられているためか、「子供は無事に産まれて当り前」といった誤った認識もまた広まっています。

ところが実際には、妊娠中は母児に大きく影響を与えるものから殆ど影響を与えないものまで、多くの妊娠合併症が存在します。その中で、近年大きく患者数を増やしているものの一つに妊娠糖尿病があります。当センターでは、一昨年が631分娩中27人(4.3%)、昨年が475分娩中22人(4.2%)が妊娠糖尿病と診断されました。

妊娠糖尿病は「妊娠して初めて発見された耐糖能異常」と定義され、妊娠前から発症していて気付かずに妊娠した糖尿病の方と、妊娠によって糖尿病を発症し分娩後には正常化する(妊娠中にのみ糖尿病を発症)する方の2つのタイプの方々を合わせた病名です。妊娠糖尿病はお母さんには勿論のこと、特に胎児・新生児更にはお子さんの将来にも悪影響を与える可能性があります。そのため、それを発見(スクリーニング)し治療できるかどうかは、お子さんの将来を左右しかねない問題です。

当院では、お産される方全員にスクリーニングとして血糖を測定し、必要であれば糖負荷試験で診断を確定します。更に診断された方に対しては、入院を原則として治療し、適正な血糖値(食事30分前≦100mg/dl、食後2時間値≦120mg/dl)を実現します。そうすることで、胎児・新生児の妊娠糖尿病合併症はほとんどが予防できます。

更に、将来的に糖尿病を発症する確率を見ると、妊娠糖尿病と診断された方はそうでない方に比べて確率が高くなりますので、産後にも定期的に健康診断を受けるなどして、糖尿病になっていないかどうか気をつけることが必要です。(妊娠中の糖尿病に関しては、糖尿病・妊娠学会ホームページ に詳しく載っていますので、ご参照下さい。)

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