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ミニコミ誌「みどりの丘」

2008年11月1日発行 今月のおはなし

腎臓移植について

臓器移植外科・一般外科 講師 岩本 整

末期腎不全に対する治療法として透析療法(血液透析、腹膜透析)、腎移植の2つの方法があります。両者はよく車の両輪に例えられますが、わが国は透析において世界一の大国と言われる反面、腎移植は極めて少ないのが現状であります。

2007年のわが国での腎移植件数は、生体腎移植1201例、献腎移植163例、脳死体移植24例でした。欧米諸国と比べ高い生体腎移植への依存、総腎移植数及び死体腎移植数の少なさが特徴的です。統計によりますと人口100万人あたりの腎移植数はアメリカで57.6例、ドイツで30.0例であるのに対してわが国ではわずか7.5例と非常に少ないです。一方、生体腎移植はここ数年除々に増加傾向にあります。その理由として、第1に生体腎移植の方が献腎移植より成績が良い。2000年以降の生体腎移植の生着率は、1年96.7%、3年93.8%、5年90.9%であり、献腎移植に比べ約5から10%高くなっています。現在の腎移植は10年、15年以上の生着を目指す時代であります。第2にドナーに対して、従来の手術に比べより負担が少ない鏡視下腎摘出法が近年導入されました。これにより傷が小さくなり従来約2週間の入院を要していましたが、鏡視下手術の導入後は4から7日間に短縮されました。第3に血液型不適合移植の普及、第4に非血縁間移植の増加が挙げられます。また、近年透析導入無く腎移植を行う先行的腎移植(Pre-emptive renal transplantation )の症例数が増加しています。従来はいったん透析を経てから移植をうけるのが一般的でしたが、この方法は透析をしなしで腎移植をする治療法です。長期透析に伴う合併症の抑制や医療費の削減等によるメリットがあります。当科においても血液型不適合移植や鏡視下手術の導入を積極的に行っております。これからも質の高い移植医療を皆様に提供したいと思っております。

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