ミニコミ誌「みどりの丘」
2009年5月1日発行 今月のおはなし
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)について
高齢化社会の到来とともに腰痛疾患、なかでも腰部脊柱管狭窄による症状に苦しむ患者さんが増加してきております。
そこで今回は、腰部脊柱管狭窄症についてお話します。
概要
腰部脊柱管狭窄症とは、加齢による脊椎の変形により、腰椎での神経の通り道である脊柱管が狭くなり、脊柱管の中を通る、足へ向かう神経を圧迫することによって起こる病態です。
症状
下肢の痛み・しびれ・脱力のために歩けなくなるが、少し休むとまた歩けるようになるという【間欠性(かんけつせい)跛行(はこう)】が最大の特徴です。患者さんによっては、自転車はいくらでも乗れるが歩けない。または、手押し車(シルバーカー)を使えば歩けると訴える患者さんもあります。他に腰痛や神経麻痺(下肢筋力の低下・膀胱直腸障害)がみられる場合もあります。
診断
上記の特徴的な症状・病歴・臨床所見に加えて、診断には、腰椎のMRI検査が有用で、非侵襲的に診断をすることができます。
治療
腰部脊柱管狭窄症は、加齢によって起こるものがほとんどであり、基本的には、自然に治るということはあまり期待できません。
保存療法
安静、軟性コルセット、理学療法、鎮痛剤、血流改善剤の処方および点滴、硬膜外ブロックや神経根ブロックの施行。
手術療法
保存療法にても軽快せず、ADL(日常生活動作)障害が大きい場合は手術療法も考慮すべきとなります。その際には暦の年齢で判断するのではなく、個人個人の全身状態やQOL(生活の質)の評価によって治療方針を決定します。特に、神経麻痺を伴っている場合はできるだけ早く手術療法を試みるべきであるとされています。手術方法は、基本的に除圧術(神経を圧迫している骨・靭帯・関節などを削り脊柱管のスペースを広くする。)を行いますが、脊椎の変形が強かったり、神経の圧迫されている部位によっては固定術を併用する場合もあります。
上記に述べた間欠性跛行の自覚症状のある方は、一度、整形外科を受診することをお勧めします。





