ミニコミ誌「みどりの丘」
2009年12月1日発行 今月のおはなし
輸血後感染症について
輸血はかつて起死回生の妙薬として使用され、多くの生命を救ってきました。しかしその反面、B型・C型肝炎、HIV感染症などの副作用を生み出し、一定のリスクが存在することが明らかになっています。
以前売血制度があった1960年代には輸血後肝炎の頻度は50%程度でしたが、献血に一本化されB型肝炎の検査が導入されてからは若干減少して10~20%となりました。1989年のC型肝炎検査法の開発・導入で1%以下となり、1999年以降はさらに精密な核酸増幅検査により10万分の1以下へと減少しました。約半世紀の間に劇的な変化があったわけですが、過去の反省に立ってわずかでも輸血後の感染症が存在するのならばなるべく早期に発見して治療をしようとの趣旨で輸血後には感染症検査(B型・C型肝炎ウイルスおよびHIVの抗原・抗体検査)が推奨されています。
最近肝炎の治療法も長足の進歩を遂げ、インターフェロン・抗ウイルス薬などにより治癒が望める方もいます。またHIVも強力な抗ウイルス薬の投与でコントロールできる慢性感染症へと変貌しています。日本での輸血の安全性は極めて高いですがそれでも年に数人程度感染症が疑われる方が発生していますので、輸血後には感染症の検査をお受けになることをお勧めします。感染機会があってから検査が陽性になるまでに2-3ヶ月かかることが多いので検査のタイミングは輸血の2-3ヶ月後となります。症状の有無では感染しているかどうかを知ることは難しいため、適切な時期に検査をすることが大切です。もちろんこれらの検査には健康保険が適用されています。
なお万が一輸血により感染症がおこり入院治療が必要になった際には公的な被害救済制度があり、費用の給付を受けることが可能です。このように輸血の安全性を守る仕組みがありますので皆様の健康管理に役立てていただければ幸いです。




