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黄斑疾患外来へ 
 東京医科大学茨城医療センター  眼科
 
網膜静脈閉塞
 
網膜静脈に血栓ができて、血液の流れが悪くなる病気です。血液が血管外にあふれ出して、網膜に出血やむくみ(黄斑浮腫)を起こして視力が低下します。
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どんな種類があるの?
1.網膜静脈分枝閉塞
網膜内の静脈が詰まる事により、網膜の一部に出血がおきます。
2.網膜中心静脈閉塞
網膜静脈の根元(網膜中心静脈)が詰まる事により、網膜全体に出血がおきます。
 
網膜静脈分枝閉塞
 
網膜中心静脈閉塞
なりやすい人は?
動脈硬化、高血圧、喫煙、糖尿病が知られています。網膜静脈閉塞の予防には、これらの全身疾患の治療が重要です。
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症状は?
出血した範囲に一致して見にくくなります。また硝子体出血、網膜剥離、新生血管緑内障を併発すると重篤な視力障害を起こします。
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どんな検査が必要なの?
視力などの一般の検査の他に、OCTや蛍光眼底検査が必要になるため、診察に時間がかかります。 
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黄斑浮腫
網膜静脈閉塞では、血液中の成分が網膜内にあふれ出すため網膜にむくみ(浮腫)が生じます。この浮腫が、視力にとって重要な黄斑部に波及すると視力が低下します。黄斑浮腫の治療には、網膜光凝固、ステロイド テノン嚢下注射、抗VEGF薬硝子体注射、等を組み合わせて行います。
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網膜新生血管、新生血管緑内障
網膜静脈閉塞によって、網膜の毛細血管が詰まると(網膜虚血)、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が過剰に分泌され、網膜新生血管や虹彩新生血管が発生します。網膜新生血管は硝子体出血や網膜剥離の原因となり重篤な視力低下をきたします。また虹彩新生血管は新生血管緑内障という難治性の緑内障を発症させ、放置すれば失明の危険性が高く、早急な治療が必要です。網膜新生血管や虹彩新生血管の予防には、網膜虚血部位への光凝固が必要です。または新生血管緑内障が発症した場合は、抗VEGF薬硝子体注射、眼圧降下薬の点眼内服、緑内障手術を組み合わせて治療を行います。 
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