生化学

13.写真:生化学(宮澤) -1.JPG

主任教授
宮澤 啓介

概要

生命現象は合成系(同化)と分解系(異化)の"動的平衡"により維持されています。 一方、体内の個々の細胞動態に視点を移せば、① 細胞増殖(DNA複製)② 分化(遺伝子発現)③ 細胞死(アポトーシス)ならびに④ 静止期(G0期)の維持(生存)のいずれかが営まれ、細胞の集合体である個体の維持もこれら4つの現象の"動的平衡"に依存しているともいえます。今や日本人の二人に一人は「がん」を発症し、三人に一人は「がん」で死亡しています。この"動的平衡"から逸脱した「がん」の分子基盤も、細胞の自立増殖能の獲得、分化能の喪失、アポトーシスの回避、細胞周期制御の破綻という各側面から病態解明の研究が進められています。

「生化学」は生命現象を物質論的に探求する学問領域ですが、当分野ではこれら4つの細胞現象を個別に扱うのではなく、相互に密接に連動する事象と捉え、これらを人為的に制御・操作する手法の探索、すなわち細胞の"マニピュレーション(manipulation)"をテーマにこれまで多角的に研究を進めてきました。
細胞を人為的に制御する手法を手に入れることは、がん治療は勿論のこと再生医療を含めた医療の多方面への応用につながるものと私達は信じています。

教育内容

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*生化学分野の研究室は学生達に常に開放されています。
 研究活動に興味をもつ学生達が自由に参加できる環境づくりを心がけています。

主な研究領域(研究内容)

  • オートファジーの人為的制御 -「オートファジー誘導療法」に向けての基盤形成
  • 小胞体ストレス誘導による癌の新規治療法の開発
  • 植物由来天然物の抗腫瘍効果に関する研究
  • 代謝疾患・変性疾患に関する分子病態の解析
  • ナノビーズ技術を用いた新規創薬標的の探索
  • ポリアミン代謝によるオートファジー制御に関する研究

機能性磁性ナノビーズ技術を基盤とする難治性疾患におけるタンパク質分解機構の解明と新規治療法の開発

*文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業として、平成26年度に採択(事業番号:S1411011)



大学院医学研究科について

担当科目名名称

機能系専攻・生化学および腫瘍系コースワーク

講義概要

オートファジーはユビキチン・プロテアソーム系と並んで細胞内の小器官やタンパク質の主要な分解機能を担っています。オートファジーは、飢餓状態への適応、細胞内の浄化、細胞内細菌の分解、抗原提示、細胞死、ミトコンドリアなど細胞内小器官の"品質管理"と、その生命現象における重要性が急速に解明されています。

当分野では現在、オートファジーを人為的に制御(manipulation)する方法を多角的に追求することで、小胞体ストレス誘導による癌の新規治療法の確立や、代謝・変性疾患の治療、さらには再生医療への応用に向けてのトランスレーショナルリサーチを進めています。

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