東京医科大学 医学教育学講座とは

医学教育学講座とは

医学教育学講座とは

医学教育学講座とは

医学教育学講座は、平成20年4月に設置され、医学教育学を研究領域としています。
同時期に設置された医学教育推進センターと共に、教育体制の改善を効率的に図り、医学教育活動の円滑な推進に寄与することを目的としています。

現在は、国内外の医学教育における情報収集、グローバルスタンダードを視野に入れたカリキュラム改編作業、さらに医学生のモチベーションを高める質の高いアクティブラーニングの導入、および教職員へのファカルティーディベロップメントと、幅広く活動しています。

また講義では、第1学年の医学教育学を担当し、医師の役割や全体像を具体的に把握し、効果的な学習方法、プロフェッショナリズムを修得し、さらに論文の執筆方法など各専門領域には含まれないが、医学教育における根幹部分を学ぶことができます。

また医学教育推進センターと連携してeラーニングシステムの構築を行っています。学生と教員の双方の視点に立ち、より効果的な学習環境の整備、教材作成のための著作権に関する支援、およびシステム利用の推進活動などについて、総合的なICT活用教育を研究し、導入を行っています。

そして、国際的に活躍できる広い視野と語学力を培うため、姉妹校締結ならびに交換留学生の締結を活発に行っています。提携校からの留学生の受け入れでは、各診療科における臨床実習プログラムを提供しています。また、本学学生は、第6学年次の選択実習において、英語試験の結果や、面接による選抜により、海外の大学(医療機関)に挑戦することができます。今後も、充実した留学生の支援を続けていきます。

国際交流の詳細はこちら

組織図

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医学教育学講座 講義の紹介

医学関連学科目 「医学教育学」
第1学年 後期(1単位)

医学教育学講座担当教員
教授 泉 美貴
准教授 R.ブルーヘルマンス
兼任教授 大滝 純司
兼任教授 三苫 博

医学教育学では、卒業後、医師として働く医学生が大学生活を有意義に過ごせるよう、大学で学ぶことの意義や大学の役割、効果的な学習方法、eラーニングなどの情報通信技術の役割、医師としての倫理観やプロフェッショナリズム、医師としての将来像、論文の執筆方法などを総合的に学習します。

卒業後、医師として働くことを前提としている医学生として、大学生活の過ごし方について深く考えてみる好機となるよう、「良い医師とは何か」について考えます。
良い医師には一朝一夕にはなれないが、医師としての責任を医学生のうちから理解し、行動に表し習慣化するという、自覚ある学生生活をすることが重要です。
多様な疾病・障害を有する患者やその家族、および医療現場で連携する他職種とのコミュニケーションを上手くとるためには、どうあるべきかを考えます。
また、男女ともに生涯にわたり医師として活躍することの重要性を理解し、そのために必要な準備を積み重ねることについて考えます。
医学という膨大な学習内容を理解するために有効な学習方法を身につけなければなりません。
そのためにはそれぞれの学年における学習内容(カリキュラム)を良く理解し、各種の試験に対する準備を効果的に行う必要があります。
eラーニングなどの新しい学習方法の効果的な使い方についても考えます。
医学生として精神的に健康に過ごすための心のあり方について考え、ストレスや困難に遭遇した時の対処の方法についても予め考慮する必要があります。
目を海外にも向け、本邦との違い(医療政策、医療レベル、医学生の違いなど)についても考えていきます。

本科目は試験はありませんが、複数のレポートを通して上記の様々テーマについて考えます。
最終評価は、授業評価(レポート60%+出席点40%)のみです。
レポート提出はeラーニングシステム「e自主自学」を利用します。なお、自習用としてe自主自学を通して小テストを数回行うが、評価の対象ではありません。

講義内容PDFダウンロード pdf

ICT活用教育

学生一人ひとりの「自主自学」のために

昨今の情報化社会において、国内外の大学教育ではICT(情報通信技術)を活用した教育・学習システムの導入が加速しています。東京医科大学でも、2010年にEラーニング委員会とワーキンググループを立ち上げ、ICTを活用した医学教育を拡充させています。その結果、Eラーニング・ポータル「e自主自学」を開発・導入する運びとなりました。

「e自主自学」は、英国レスター大学のDr. N. Blackwellらと共同で開発・構築・導入したもので、本学の用途に合わせてカスタマイズされた先進性の高いICT活用教育システムです。学生は、コンピューターやタブレット、スマートフォンなどから、インターネットを介していつでもどこからでも「e自主自学」を使用できます。「e自主自学」の特長は、単なる講義の動画の配信ではなく、従来の学習環境を支援・発展させることにあります。このシステムを通じ、ネット上で学生同士あるいは教員と学生との双方向の意見交換を行うことができます。学生が課題レポートをこのシステムに提出すると、教員はレポートへの感想や参考資料の配付をシステムを通じて行い、学生同士は内容を共有することができます。さらに、ペーパーレスになること、フィードバックが迅速に行えること、24時間アクセスできることなどの利点があります。講義で使用したスライドや動画は「e自主自学」から閲覧・保存・印刷することが可能です。また、講義内容を、講義後にサイト上で小テストすることにより、学生の講義への能動的な参加を促し、理解度を測ることができます。

2011年度はパイロットコースとして、医学部3年生を対象に医学英語IIIと臨床医学I-皮膚系の2科目に導入し、2012年度から他の科目にも徐々に広め、全学的に使用することを目指しています。東京医科大学の医学教育に特化したシステムで、なおかつ学生主体のものであることを象徴して、本学の建学の精神にのっとり「e自主自学」と命名されたこの教育システムは、教員から学生への一方通行的な教育だけでは成り立ちません。学生が教員と共に作り上げていくものなのです。東京医科大学建学当時の学生達と同様、学生が自らの教育・学習の主導権を握り、本システムを積極的に活用することにより、真の「自主自学」に繋がることを切に願います。

R.ブルーヘルマンス
医学教育推進センター Eラーニング・ワーキンググループ座長
医学教育学講座 准教授

効果的な機材配信

・24時間いつでも学習可能
好きな時に好きな場所でアクセスし学習できます。
講義の空き時間・移動中の時間など忙しいキャンパスライフの中で効果的に学習活動を行えます。

・幅広い端末で使用可能
大学のPCでもノート型PCでも自宅のPCでもタブレットでもスマートフォンでも様々な端末で学習できます。

・一元化された教材配信
講義教材の標準化により各科の特色は出しつつも使用しやすく分かりやすくなります。

幅広い端末で使用可能

・アップデートが早い
講義の内容がすぐに反映されますので予習復習を効果的に行えます。
確認したい点など忘れないうちにチェックできます。

・ビデオなどの教材も配信可能
学生の理解を深めるためのビデオなどの副教材も配信。
学生は必要に応じて学習に有効活用できます。

・他の講義の進行状況を把握可能
他の講義内容を把握することで無駄を省き講義時間を有効使用できます。

学習効果と満足度の向上

・効果的な学習サポート
学生の理解を確認しながら進めたい講義など必要に応じてeラーニングを補助的に使用可能です。

・講義の予習復習がオンラインで可能
必要な内容が掲載されているため効率よく学習できます。

講義の予習復習がオンラインで可能

・課題で講義内容の理解度UP
パイロット版では主にMCQ(選択式問題)で復習しますが、今後記述問題も取り入れていきさらに理解度と実践へ応用力をUPさせます。

・何度でも学習可能
課題の成績をすぐ閲覧でき、理解が不足している場合、個人の判断で何度でも学習することができます。

・実習の効果を上げる
講義内容の十分な理解を確認した上で、学生が実習に参加できるため実習お効率と効果が上がります。
学生も自信を持って実習に臨めます。

緊密な連絡とフィードバック

・学生への連絡経路の一元化
全ての連絡を一元化し掲示板などの見落としによる連絡の不徹底を回避します。また、即時にお知らせをアップロードできますので、至急の連絡にも対応できます。

学生への連絡経路の一元化

・講師との緊密なコミュニケーション
講義及び課題・質問などの連絡を時間を選ばすに送受信できます。
短時間で返信が来るため、学習効率があがります。

・迅速なフィードバック
小テストの評価はリアルタイムで行われるため理解の不足した部分をすぐに知ることができます。

・学生一人ひとりへのきめ細やかな指導
課題などをモニタリングできますので、学生一人ひとりの弱点を早期に抽出可能です。
個人に合った指導および支援を迅速かつ効果的に行えます。

e自主自学システム
eラーニングワーキンググループ活動

地域医療実習

本学では、学生が地域医療を実際に体験する機会の充実を目指し、平成21年度から、第5学年の臨床実習(BSL)にて、地域の診療所における実習を導入しています。実習期間は1週間とし、年間を通して約68か所の地域の医療機関にて実習を行います。学生には、地域医療の第一線にふれる貴重な機会として、大変好評です。

履修者

医学部医学科 第5学年全員(必修)

目標(「医学教育モデル・コア・カリキュラム」から引用)

一般目標:
地域社会(へき地・離島を含む)で求められる医療・保健・福祉・介護の活動について学ぶ。
到達目標:
1)地域のプライマリ・ケアを体験する。
2)病診連携・病病連携を体験する。
3)地域の救急医療、在宅医療を体験する。
4)多職種連携のチーム医療を体験する。
5)地域における疾病予防・健康維持増進の活動を体験する。

実習先

診療所および小規模の病院

実習の形態

1)地域包括医療実習 1週間(休診日等を除く)→在宅医療を含む1週間の実習
2)単科の診療所での医療実習 1日間→地域医療の現場を体験する1日の実習

実習スケジュール

5学年BSL「社会医学・地域医療」の第1週、月曜日から金曜日、午前9時から午後5時(目安)、ただし施設の休診日は除く。

実習内容

実習先には、外来診療、訪問診療、関連職種の業務などの見学や補助を通して、次のような内容の実習を依頼している。
1) 実習内容の確認と心得の指導:実習スケジュールの説明、服装や言葉遣いなどの指導
2) 施設内の説明:施設内の設備や注意点の説明、スタッフの皆様への紹介
3) 診察室内での見学と補助:診療の見学や補助、患者さんの状況や疾病の解説
4) 診察室外での見学やお手伝い:カルテの整理・運搬、受付の補助、看護師・技師さんの補助
5) 訪問診療、訪問看護などの見学や手伝い:訪問先への同行、訪問先での補助
6) 診療時間外での指導:1日の業務の流れ、1週間の業務の流れ、1年の業務のおおまかな流れ、施設外での活動、病診連携・病病連携の現状、医師以外のスタッフの業務など
7) 振り返り:実習終了時に学生の記載する振り返りシートに従って振り返りを実施
8) フィードバック:指導医による評価を記載し、学生にフィードバックを実施

評価

出席状況、実習中の態度、指導医による評価、グループディスカッション(総合討論)、課題の提出状況などにより、総合的に評価している。

指導医の職名

地域医療指導教授(卒後15年以上)、地域医療指導准教授(同15年未満)を発令

実習の手引き

指導医と学生向けに実習の手引きを作成

掲示物

待合室などに掲示するポスターを作成し配布
待合室などに掲示するポスターを作成し配布

実習報告書

本実習の成果は、実習報告書としてまとめられ、実習指導医をはじめ、学内・学外に配布される
本実習の成果は、実習報告書としてまとめられ、実習指導医をはじめ、学内・学外に配布される

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