教授からのご挨拶

 1993年(平成5年)4月に東京医科大学内科学第5講座が開設されて以来、早いもので10年間が過ぎました。当初は講義担当もなく、研究室もない状態であり、分院において新講座を構築することは並大抵の努力なしではできないことを実感し、赴任時にカルチャーショックを受けたことを思い出します。赴任時の大きな課題は内科学第5講座(霞ヶ浦病院)が大学の教育機構とどのように協力し、また地域においてどのような役割を果たしていくかでした。臨床においては内科学第5講座として循環器以外の内科分野を診察し120床近くの病棟運営を行う使命を帯びています。従って総合内科・一般内科の診察ができなければなりません。その上で専門分野の充実を図ることを考えました。最初は6名の医局員も現在は50余名に増え、現在では呼吸器・代謝内分泌・消化器・神経・膠原病の各専門グループが形成され、質の向上を目指しながら横断的な総合外来・カンファレンスにて検討を随時行いながら内科診療を行っております。また、平成11年度より医療連携室室長を兼任しながら、社会科学の充実と地域医療に貢献する努力を微力ながら行っております。

 教育においては卒前・卒後教育の基本となる全身内科学・総合内科学の視点のもとに臨床基本技能教育と評価(OSCE)、そしてティチャートレーニング(ワークショップ)への積極的参加を行いながら教育重視をモットーとしています。

 研究室は1999年に完成し、内科専門分野別研究室の経済的非効率、縦型研究体制の欠点をかんがみ、横ぐし的な基礎分野研究室を13室構築いたしました。各研究室には遺伝子分析装置(シークエンサー)、共焦点顕微鏡、FACS、低温室等を設置し、今後さらに重要になる遺伝子・分子生物学分野の充実を図りました。したがって各内科専門分野が協力しあいながら研究ができるシステムを作り上げております。

 
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