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2012年8月、筋萎縮性側索硬化症における運動神経細胞死を実行する因子としてBTBD10を同定した論文がCell Death and Differentiation 誌に掲載されました。この論文は、この病気の脊髄運動神経細胞でのBTBD10発現は著明に抑制されていること、また、モデルとして用いた線虫でこの遺伝子を欠失させると運動神経が消失し、運動機能が障害されることを示しました。筋萎縮性側索硬化症の病態解明と治療法開発に一石を投じる論文と考えられます。 また、2013年3月、アルツハイマー病抑制因子ヒューマニン作用を持つ内在性因子としてCLSPを同定する論文がCell Death & Disease誌に掲載されます。この論文は、生体内でヒューマニン作用を有する因子がヒューマニン以外に存在することを示し、かつ、生体内でヒューマニン作用を担う中心分子がCLSPである可能性が高いことを示唆します。さらに、CLSPはその強力なヒューマニン作用から、今後の臨床応用に新たな可能性を示唆します。