東京医科大学ミッション ~創立200周年に向かう礎~

理事長 臼井 正彦

 1916年の創立以来、幾多の困難を乗り越えてきた東京医科大学は、2016年に創立100周年を迎えました。振り返ればこの間、わが国は3回の大震災と2回の世界大戦を直接的また間接的に経験してきました。また、経済的恐慌も数回同様に受けてきましたが、第2次世界大戦の戦災を除けば本学にとっては極めて甚大な被害となることもなく、いつも同窓諸先輩と全職員の叡智によってその難関や苦境の時を乗り越えてきました。

 そこには、本学の根幹をなす二つの精神、自主自学と正義・友愛・奉仕の精神が常に生き続けてきたからであります。建学の精神であり人としての生き方、一生学び続ける姿勢、バイタリティ、医療人としての矜持と解される自主自学、そして人や社会への関わり方としての正義・友愛・奉仕の精神が脈々と受け継がれ、全学生、全職員のみならず1万3千余の同窓生の大きな拠り所、即ち東医魂となり、支え続けてきた事に他ならないと思います。これらの精神は、次の100年に向かって進む本学にとって不可欠な旗印であります。

 しかしながら、これからの100年を突破して行くには、先人達の歩んできた伝統を踏襲しつつも、テクノロジーの進歩がより加速し、多様化が進むグローバル社会において、今以上にスピードが求められます。

 ここに、次なる100年に向けた最初の10年間の道標を完成させ、私たち東京医科大学は、「患者とともに歩む医療人を育てる」というミッションを掲げました。これを実現するために、より熱い東医魂を持ってひとつずつ真摯に取り組んでまいります。何卒、皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

東京医科大学設立の経緯

 今から100年前の大正5年(1916年)5月、日本医学専門学校(現 日本医科大学)の学生は学校側と対立し、約450名が同盟退学しました。彼らは理想とする学問の場を自分たちの手で実現させようと新校設立運動を開始し、幾多の困難を乗り越え、同年9月、東京物理学校(現 東京理科大学)の教室を借りて、本学の前身である東京医学講習所の設立を果たしました。
 大正7年(1918年)には、長く官界にあった高橋琢也先生が全私財を投じ、全国を奔走して佐藤進氏、森林太郎(鴎外)氏、原敬氏、犬養毅氏、高橋是清氏、大隈重信氏、渋沢栄一氏など医学界、政界、財界の有志から多大な支援を受け、東京医学専門学校が設立されました。昭和21年(1946年)、東京医科大学に昇格し、現在に至っています。
本学では、学校の設立と運営に心血を注いだ高橋琢也先生を「学祖」として、今も尊敬の念と親愛の情をもって語られています。

建学の精神、校是そしてミッション

建学の精神

自主自学
自主自学とは、自ら学び、考え、自らの責任で決断し行動することです。

校是

正義・友愛・奉仕
正義とは、法令や倫理規範を順守し、常に正しい意思で最高の医療の実現を目指すことです。
友愛とは、優しさと思いやりの心を持ち、常に相手の立場を理解し、助け合うことです。
奉仕とは、自ら進んで社会へ尽くし、人類の健康と福祉に貢献することです。

ミッション

患者とともに歩む医療人を育てる
Fostering excellence in medical professionals as partners in health

 東京医科大学のミッションは、建学の精神と校是に基づき、思いやりの心と深い教養に裏付けられた最高水準の技能を持った医療人を育成するとともに、臨床を支える高度な研究を推進し、地域そして世界の健康と福祉に貢献することです。

ページトップ