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- 一般事項
尿路(腎臓・腎盂,尿管,膀胱,尿道)に発生する悪性腫瘍の中で最も頻度が高いのがこの膀胱腫瘍です.発生のピークは60-70歳で,男女比は約3:1と男性に多く見られます.
- 病因
特殊な染料や化学薬品などにおいては膀胱発癌作用があることがわかっていますが,一般に大部分は原因不明です.また喫煙者や特定の鎮痛薬の常用者では4〜10倍多いといわれています.
- 病理
膀胱腫瘍の組織型はその約95%が移行上皮癌で,しばしば多発し,再発を繰り返す (多中心性発生) のが特徴です.細胞の異型度(悪性度)により4段階に分類しています.膀胱癌における異型度と腫瘍深達度はその予後とよく相関すると言われ,深達度で重要な点は筋層への浸潤の有無で,治療方針決定の上で重要です.遠隔転移部位として,骨盤内リンパ節,肺,肝,骨等があります.
- 症状
初発症状として最も多いのは血尿です.しかも通常は無痛性かつ肉眼的です(無症候性血尿).その他排尿障害,膀胱刺激症状がその主症状となることがあります.
- 膀胱癌の診断
膀胱鏡(内視鏡検査)が最も重要です.明らかな隆起を伴わない上皮内癌では尿細胞診も有用です.また腫瘍の深達度を検索するために各種の画像診断(CT, MRI,超音波など)が行われます.最終的には腫瘍の一部を採取し、 病理組織学的に診断します.
- 膀胱癌の治療
筋層に達していない表在性腫瘍では内視鏡的に腫瘍を切除する経尿道的腫瘍切除(TUR)が一般的です.しかしひとたび筋層を越えた浸潤性腫瘍となると,原則的に膀胱全摘出術を含めた集学的な治療が必要となります.その場合何等かの尿路変更術が必要となります. 放射線治療や各種の抗がん剤を併用した化学療法は,転移性膀胱癌あるいは浸潤性膀胱癌の手術前後の補助療法としての適応が中心です.また,主に経尿道的腫瘍切除後の再発予防を目的として各種の抗癌化学療法剤あるいは免疫療法薬剤を経尿道的にカテーテルを通じて注入する膀胱内注入療法がしばしば行われます.
- 術後経過観察
経尿道的切除を中心とした膀胱温存治療を施行した症例では最低3年間は定期的に膀胱鏡により腫瘍の再発の有無を観察します.それ以降は膀胱鏡施行時期の間隔を延ばし、5年まで経過観察が必要です.
- 予後
膀胱癌の予後を規定する因子として腫瘍の異型度(grade)と深達度(stage)が重要です.異型度の低い表在性腫瘍の予後は極めて良好ですが,浸潤癌の場合たとえ膀胱全摘出術が適応されたとしても5年生存率は40-50%です.表在性膀胱癌は再発を繰り返すうちに,より高異型度, 浸潤性の腫瘍に進展していく可能性が示されており,厳重な経過観察がその早期診断に重要です.

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