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2012/11/19 第6回 食と医療の安全に関わるプリオン病の市民講座について
日時:平成24年12月2日(日曜日)13時開始
場所:東京医科大学病院 臨床講堂
問合せ先:03-3351-6141(内線323)神経生理学講座
私たちはプリオン病克服のための研究や活動を行っているグループです。2001年のBSE発生時には、市民の方々は狂牛病パニックに陥り牛製品に対して過剰ともいえる対応をされていました。しかし、この病気への関心は年々薄れ、プリオン病は克服されたと錯覚している方々がたくさんおられます。また、特殊な病原因子であるプリオンに対する理解不足や誤解から、医療行為による二次感染の可能性やプリオン病患者さんへの過剰な反応や偏見が生まれています。そこで私たちは、プリオン病の現状と不思議な病原因子であるプリオンを少しでもよくご理解いただくために、市民の方々への継続的な啓発活動に取り組んでいます。
平成24年度(第6回)市民講座は、東京医科大学のご後援もいただき2012年12月2日(日曜日)に東京都新宿区の東京医科大学病院臨床講堂にて開催します。
1986年にBSEが報告されて以来、プリオン病はヨーロッパをはじめ世界各国でヒトの健康や経済に様々な影響を及ぼしてきました。BSEについては行政の適正な施策と地道な研究成果の蓄積により、わが国は「管理されたリスクの国」として国際獣疫事務局により認定されました。やがて「無視できるリスクの国」になろうとしています。しかしながら、クロイツフェルト・ヤコブ病やBSE等のプリオン病は、感染のメカニズムや治療・予防をはじめとして、充分に解決されていないところが多く残されているのが現状です。
この市民講座では、研究者や行政担当者がそれぞれの立場から、プリオン病の克服に向けての研究や施策について解説します。市民の方々が容易に理解できるように、平易でわかりやすい説明に努め、会場の参加者と討論することにより、多くの方々に食の安全と医療の安全に関わるプリオン病やプリオンについての理解を深めていただくことを目的にしています。
現在、厚生労働省の諮問を受けて、食品安全委員会ではBSE検査に関する月齢見直しが審議されています。そこで、本年度(第6回)の講座では、プリオン病研究の進捗に加えて、BSEの検査月齢見直しについて、リスク評価機関である食品安全委員会、リスク管理機関である厚生労働省ならびに農林水産省、研究者にそれぞれのお立場から解説いただき、議論して理解を深めたいと計画いたしました。会場にて消費者の立場である皆様方の活発なご討論をお願い申し上げます。
平成24年10月
食と医療の安全に関わるプリオン病の市民講座実行委員会
代表 堂浦 克美(東北大学大学院医学系研究科 教授)
水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授)
上田 宗 (ヤコブ病サポートネットワーク 顧問)
八谷 如美(東京医科大学医学部 教授)
事務局担当 毛利 資郎
(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所
プリオン病研究センター長)
第6回 食と医療の安全に関わるプリオン病の市民講座 プログラム
日時:平成24年12月2日(日曜日)13時開始
場所:東京医科大学病院 臨床講堂
問合せ先:03-3351-6141(内線323)神経生理学講座
挨拶と概要紹介13時00分~13時05分
堂浦克美 (市民講座実行委員会代表)
第一部 プリオン病の基礎と研究 司会 上田 宗
○「プリオン病の基礎」13時05分~13時20分
八谷 如美(東京医科大学医学部)
○「牛海綿状脳症(BSE)克服の研究」 13時20分~13時35分
横山 隆(動物衛生研究所プリオン病研究センター)
○「ヤコブ病治療研究の現状と課題」13時35分~13時50分
堂浦克美(東北大学大学院医学系研究科)
休憩 13時50分〜14時00分
第二部 BSE検査月齢見直しの全容を理解する 司会 水澤英洋
○「検査月齢見直しの諮問と答申」(仮題)14時00分~14時20分
姫田 尚(食品安全委員会事務局)
○「検査月齢見直しの科学的知見」(仮題)14時20分〜14時40分
毛利資郎(動物衛生研究所プリオン病研究センター)
○「検査月齢見直し後のリスク管理措置」(仮題)14時40分~15時00分
道野 英司(厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課)
○「今後の畜産行政と畜産物の安全」(仮題) 15時00分~15時20分
川島 俊郎(農林水産省消費・安全局動物衛生課)
休憩 15時20分~15時35分
総合討論 司会:毛利資郎、上田 宗、水澤英洋 15時35分~16時30分
討論者:講演者7名と会場を含めた参加者全員