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東京医科大学 皮膚科学教室
Tokyo Medical University
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アトピー性皮膚炎外来

■ アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、幼少時期に発症し再燃を繰り返しながら各年齢層に特徴的な皮膚症状を呈する病気です。 皮膚症状の原因としては、I型及びIV型アレルギーだけでなく、皮膚のバリアー機能低下、嗜癖的掻破行為(癖になって掻く事) など様々なものがあり、個人により原因が異なる病気です。以前は、幼少時期だけの病気といわれていましたが、 現在は成人の方にも多く認められます。当科にも幼児から高齢者まで幅広い年代の方が受診されています。

■ アトピー性皮膚炎外来では
アトピー性皮膚炎の方に対して、まず病因の精査を行っています。病因の精査は、血液検査によるアレルゲンの 特定だけでなく、 皮内テスト、スクラッチテスト、パッチテスト、紫外線検査など、それぞれの患者さんの症状に合わせて行っています。 治療は第二世代抗ヒスタミン薬(アレグラ®、アレロック®、タリオン®、アレジオン®、クラリチン®、エバステル®、ジルテック®、ザイザル®等)の内服薬を基本とし、 外用薬については顔面・頸部はタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏®)やmild クラスのステロイド軟膏(ロコイド軟膏®やキンダベート軟膏®)を中心に使用し、症状に合わせてこれらの軟膏の間歇療法を行っています。体幹・四肢は皮膚の症状によりますが、ステロイド軟膏と保湿剤を中心に治療しています。例えば、厚さのある病変についてはvery strongクラス (アンテベート軟膏®、マイザー軟膏®等)で治療を開始し、症状の軽快とともにstrongクラス(メサデルムクリーム® 、リンデロンVG 軟膏®、プロパデルム軟膏®等)やmildクラス(キンダベート軟膏®やロコイド軟膏®等)に切り替え、症状改善時には保湿剤(ヒルドイドソフト®、パスタロンソフト®、プロペト®、白色ワセリン等)のみを使用します。また外用療法で改善がみられない場合、免疫抑制薬(ネオーラル®)を一時的に服用します。またナローバンドUVBを中心とした紫外線療法も行っています。症状により短期間の入院治療や教育目的の入院治療も行っています。

■ 当科における新しい試み
頭頸部重症型のアトピー性皮膚炎にマラセチアという皮膚常在真菌が増悪因子として関与していることを報告しました。当科では、マラセチア抗体価の高い治療抵抗性の成人型アトピー性皮膚炎患者様に抗真菌薬の内服・外用療法を試みています。