|
|
当院皮膚科脱毛症外来は脱毛症に詳しい5名の医師が各曜日を担当しています。まず一般外来の初診を受診して、一般的な説明、血液検査、局所免疫療法の感作などを受けてから、次回に脱毛症外来を予約してください。 脱毛症外来では、以下のような症状・疾患の方を拝見しています。 |
◆ 円形脱毛症 |
◆ 男性型脱毛症(女性のびまん性脱毛症を含む) |
◆ 休止期脱毛:周期的に脱毛が多くなる |
◆ トリコチロマニア(抜毛症):自分で気づかずに抜毛してしまう。学童女児に多い |
◆ 全身性疾患に伴う脱毛:慢性甲状腺炎、鉄欠乏性貧血、膠原病など(特に女性に多い) |
◆ 薬剤性脱毛症:抗がん薬だけでなく一般的な内服薬でも生じることがある |
◆ 先天性脱毛症 |
◆ 瘢痕性脱毛症:扁平苔癬、エリテマトーデス、斑状強皮症、萎縮性脱毛 |
◆ 毛幹の疾患:縮毛など |
◆ 白髪 |
◆ 多毛 |
毛包を標的とする自己免疫疾患である。精神的ストレスがきっかけとなることがある。類円形の脱毛斑を生じるが、びまん性に脱毛して1ヶ月で全頭脱毛となることもある。繰り返すことが多い。病歴が長いほど予後はよくない。 罹患率: 人口の0.1-0.2% 、生涯罹患リスクは1.7%、性差:なし、好発年齢:全年齢層、家族内発生:あり |
■単発型 |
抗アレルギー薬の内服、副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用薬 |
■単発大型遷延例・少数多発型 |
副腎皮質ホルモン薬の外用・注射、抗アレルギー薬の内服 |
■多発型 |
局所免疫療法(SADBE, DPCP)、副腎皮質ホルモン薬の外用・注射 |
■ophiasis(蛇行)型を含む多発型・全頭型・汎発型 |
局所免疫療法、副腎皮質ホルモン薬の内服・外用・注射、補助療法の単独ないし組み合わせ |
■急速進行性全頭型 |
副腎皮質ホルモン薬の内服・外用、局所免疫療法 |
■補助療法 |
液体窒素療法、PUVA療法、レーザー療法 |
副腎皮質ホルモン薬の脱毛部位への注射は、最も確実に発毛が得られ、全身的な副作用がほとんどない。しかし、痛みを伴い、皮膚が萎縮するので広範囲の脱毛には向かない。 |
副腎皮質ホルモン薬の内服は確実に全身の発毛が得られるが、減量すると再燃し、長期内服により種々の副作用を生じる(当科では積極的にはお勧めしていません)。 |
局所免疫療法は化学試薬により脱毛部位に軽いかぶれをおこし、毛包を攻撃する特異なリンパ球が脱毛部位に集まらないようにします。ステロイドの内服に比較して効果はやや劣り、速効性はないが、長期使用による重篤な副作用がない。アトピー性皮膚炎、湿疹、じん麻疹がある人は、一時的に痒みが強まり、症状が悪化することがある。2週間に一度程度受診する必要がある。学童児にも適応があります。自費診療です。 治療方法は内容をご説明した上で患者様ご自身に選択していただきます。 |
精神的・肉体的に余裕のある生活、バランスのよい食事、適切なヘアケア、禁煙。繰り返す疾患なので良くなっても油断せず、悪くても希望を失わない。全頭型、汎発型でも細かい軟毛が生えてきた時は治療のチャンスです。 |
壮年性脱毛、若ハゲ、うす毛とも呼ばれる。男性の前頭部と頭頂部の頭髪が徐々にうすくなり、最終的に完全に消失する。細く短い毛が多くなる。女性のびまん性脱毛症は主として男性型脱毛症ですが、慢性休止期脱毛、加齢に伴う脱毛が混在していることがある。 |
■外用薬(育毛剤) |
@リアップ(ミノキシジル)、A毛髪力・イノベート(ペンタデカン酸グリセリド+サイトプリン) 、Bサクセス薬用バイタルチャージ(t-フラバノン)、Cアデノゲン(アデノシン)(当科における独自の実験結果に基づきこの順番にお勧めしています) |
■内服薬 |
当院ではフィナステリド(プロペシア1mg、1日1回1錠内服)を処方しています。自費診療で院外処方です。有効性が高く副作用の少ない内服薬としてお勧めできます。 |
■外科的治療 |
植毛術 (植毛術は髪の分布を変える手段で、量は増えない) |
特にすぐれた発毛効果がないのに、過剰な料金を請求するグループがありますので気をつけてください。 |
|
|