クラインフェルター症候群(Klinefelter Syndrome)に関する情報

BlueDot概論

クラインフェルター症候群(Klinefelter Syndrome)は,ヒトの染色体異常症でも頻度の高いものです.無作為な調査では,男児500出生当たり1人位の割合であることが分かっています.これらの男性の大部分はクラインフェルター症候群であることも診断されずにいることから,患者さんの多くは特別な医学的或いは社会的問題もなく,健康で普通の生活を送っていると考えられます・クラインフェルター症候群は,通常血液を用いた染色体検査により診断されます.

クラインフェルター症候群は性染色体の異常により生じます.クラインフェルター症候群の患者さんは男性ですが,この染色体異常によりホルモンの不均衡が生じます. ハリー・クラインフェルター(Harry Klinefelter)博士が1942年にこの病態を正確に記載して以降,1956年に至り,他の研究者によりこの症候群の多くの男児が正常の46本の染色体ではなく47本の染色体を持っているとの報告がなされました.この過剰なX性染色体が,これらの少年の独特の症状の原因となるのです.男性は全て1本のX染色体と1本のY染色体を持っていますが,時に変異によりX染色体が1本多い男性が生じます.これがクラインフェルター症候群であり,しばしば47,XXYと記載されます.他にも,より頻度の低い変異として,48,XXYY, 48,XXXY, 49,XXXXY や XY/XXYモザイクなどがあります.これらは全てクラインフェルター症候群の亜型とみなされています.

BlueDot一般的症状

多くの男性が診察を受け,クラインフェルター症候群では以下の4つの一般症状が見られることが分かってきました.即ち,不妊,乳房発育,不完全な男性型体型,そして社会での,或いは学校での学習障害です.テストステロン(Testosterone)療法が,不妊以外の治療に効果的であることが明らかになっています.

クラインフェルター症候群で最も多い症状は不妊です.クラインフェルター症候群の年長児や成人は正常の性機能を有していますが,子どもをもうけるのに十分な精子を作ることが出来ません.従って,クラインフェルター症候群の男性は全て不妊であると考えられています.ただ,一般人口の約10%にあたる男女夫婦も不妊であるということも心に留めておいて下さい.

クラインフェルター症候群の年長児では,しばしば乳腺組織の発育が認められます.実際には,乳腺組織の発育は正常の男児にも認められるもので,それと余り大きな差異はありません.しかし,正常の男児での乳腺発育は一時的なもので,最終的には消失してしまうのに対して,クラインフェルター症候群の男児では残存し,時に乳腺組織は大きさを増すことがあります.いくつかの症例では,乳腺組織の外科的切除が必要になることがあります.

クラインフェルター症候群の男児の身長は高い(平均6フィート1/2インチ)のですが,運動は苦手か普通程度です.陰茎は通常,標準の長さですが,睾丸は小さ目です.顔面の毛髪の発育の低下が認められることもあります.

研究により発語・言語の障害の可能性が高いことが知られており,これが社会での或いは学校での学習障害の原因となります.クラインフェルター症候群の男児では,他の男児に比べると,男としての自信に欠ける部分があります.彼らの兄弟や同年齢の他の男児に比較して,未熟で内気なことがあります.受動的で無気力で,主体性に欠け,感受性が高く,自尊心がもろい傾向が見られることがあります.

BlueDot他に見られることのある症状

上記の症状は比較的一般的な症状ですが,時に下記のような症状が見られることのあることがクラインフェルター症候群の家族から報告されています:

しかし,これらの症状の多くは,テストステロン療法により軽快するようです.

BlueDot治療

クラインフェルター症候群男児における過剰X染色体は主として睾丸に影響を与えるようです.睾丸は男性ホルモンの代表であるテストステロンを生成しますが,クラインフェルター症候群の男児ではこの量が低下することがあります.患児が10歳から12歳になったら,定期的に(例えば毎年),血中のホルモン濃度を測定してみて正常であるかどうかを確認しておくと良いでしょう.思春期に他の男児では起こるような性徴の発現が抑制されるので,テストステロン濃度が低いようでしたら,あるいは,実際のホルモン濃度は充分でもその作用が充分でないと思われるような他の症状が出現しているようでしたら,男性ホルモンによる治療が通常,効果を発揮します.

最も一般的に行われている治療は,合成型テストステロンであるデポテストステロン(depotestosterone)を1ヶ月に1回注射投与する方法です.年齢が増すに従って,投与量や投与回数は徐々に増やす必要があります.この治療により,正常な身体ならびに性発育が得られ,恥毛の発育や,陰茎や陰嚢の増大(睾丸は増大しません),ヒゲの発育,変声,筋肉の太さと長さの増大が起きます.

注意: クラインフェルター症候群の成人は,正常な勃起ならびに射精能力などの完全な性能力を有します.しかしながら,子をもうけるに充分な正常量の精子を産生することが出来ないのです.

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Klinefelter Syndrome and Associates
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Last Updated: February 07, 1997