定義: ターナー症候群(Turner's Syndrome)


ターナー症候群(Turner's Syndrome)は,女性において2,500人にひとりの頻度で見られる染色体異常症で,身長の低いことと性発達の遅れが特徴的です.この症候群は H.H. Turner博士により1938年に初めて記載されました.他の身体症状は,翼状に肩まで広がる首の皮膚,心臓や腎臓の奇形があり,種々の他の奇形を伴うことがあります.通常,女性は2つのX染色体を持っています(46,XX: 染色体の総数が46本で,性染色体の構成がXXであることを示す.男性は 46,XY).しかし,ターナー症候群の患者さんの中には,X染色体の1つが失われる方がいます(45,Xという染色体の核型になる).いろいろな研究によれば,こういった方々の約40%で男性にあるY染色体の一部が残りの1本のX染色体に紛れ込んでいることがあります.他の患者さんでは,X染色体は2本あるにもかかわらず,一方の染色体の遺伝子が欠けていることがあります.さらに他の患者さんでは,いくつかの細胞では正常に2個のX染色体があるのに,残りの細胞ではX染色体の一方がが欠けているます(45,X/46,XXモザイクと言います).ターナー症候群のはっきりした原因は未だに解っていませんが,両親いずれかの生殖細胞(卵子や精子)を作る減数分裂という細胞分裂の間に起きる異常によって引き起こされるものと考えられています.

同義語
ターナー症候群という用語だけでなく,この疾患には医師により様々な名称が用いられます.以下の名称がこの特徴的な症状に用いられています.
45,X 症候群(45,X Syndrome) ボネビー・ウルリッヒ症候群(日本では用いません: Bonnevie-Ulrich Syndrome)
X染色体症(日本では用いません: Chromosome X, Monosomy X) 性腺形成不全(45,X型) (Gonadal Dysgenesis (45,X))
性腺機能不全(XO型: エックスオーと読みます) (Gonadal Dysgenesis (XO)) モノソミーX(X染色体が1本という意味) (Monosomy X)
モルガニ・ターナー・アルブライト症候群(日本では用いません: Morgagni-Turner-Albright Syndrome) 卵巣性小人症(ターナー型: 日本では用いません) (Ovarian Dwarfism, Turner Type)
卵巣形成不全(ターナー型: 日本では用いません) (Ovary Aplasia, Turner Type) リンパ管拡張症(翼状頚を伴う: 日本では余り使いません) (Pterygolymphangiectasia)
シェレシェブキ・ターナー症候群(日本では用いません) (Schereshevkii-Turner Syndrome) ターナー・バーニー症候群(日本では用いません) (Turner-Varny Syndrome)
臨床症状(よく見られる異常)
低身長 100% 卵巣機能不全 90%
手足のむくみ 80% 幅広い胸 80%
うなじの毛の生え際が低い 80% 耳の変形や後方への回転 80%
小さな下顎 70% 目頭の皮膚が耳寄りに伸びてたるんでいる 70%
肘の関節で前腕がやや外向き 70% 柔らかな上向きの爪 70%
腎臓の奇形 60% 薬指が短い 50%
肩にかけて広がる首の皮膚 50% 皮膚の褐色斑(小さな茶色の斑点) 50%
心臓の奇形 50% 聴力障害 50%
狭いアーチ状の上顎(口の中) 40%
ときに見られる異常
股の関節の異常 脊柱(背骨)の曲がり ケロイドを作り易い
白内障 肥満の傾向 原因のはっきりしない高血圧
糖尿病 耐糖能異常(糖尿病に類似) クローン病(腸の難病)
甲状腺の病気 潰瘍性大腸炎(腸の難病)

メインページ | 定義 | FAQ | 関連団体 | 関連リンク | ニュースグループ


著作者: Steven PloofSteven Ploof
Email: ploof@eden.com