臨床検査医学科 Laboratory Medicine
診療概要
- 独立して診療は行っていませんが、血液凝固系に異常のある患者さんに対しては各科と共同で治療に当たっています。また、手術予定の患者さんには自己血輸血を積極的に行っています。
- コンサルテーション活動として、検査全般および輸血療法に関する相談に応じて各科の診療支援をしています。
- 院外の先生からのご相談にも対応します。
- 研究
- 細胞外マトリクスの生物学、血液凝固因子の基礎的・臨床的研究、自己血輸血の臨床研究、輸血の適正使用に関する研究。
- 医療設備
- 自己血採取室に電動採血ベッド、自動採血装置を装備。
- 認定施設
- 日本輸血学会認定医指定施設
検査の種類
- 血液凝固因子の精密検査
- 血液型、不規則抗体などの精密検査
対象疾患
- 血液凝固因子の異常症
科の特色
- いずれの診療も、当センター内の各科あるいは関連する地域医療機関からの依頼で行っております。
スタッフ紹介
| 氏名・職名 | 専門領域 | 資格 |
|---|---|---|
| 田中 朝志 准教授 (たなかあさし) |
臨床検査医学、輸血学、血栓止血学 |
|
- 主な著書
-
- 血液病学第2版(文光堂)(共著)
- 血液凝固ハンドブック(宇宙堂八木書店)(共著)
- スタンダード輸血検査テキスト第2版(共著)
診療実績
| 診療科 | 自己血輸血量(単位数) |
|---|---|
| 合計 | 1085 |
| 整形外科 | 388 |
| 心臓外科 | 379 |
| 泌尿器科 | 199 |
| 消化器外科 | 82 |
- 合計はその他の科も含めての総合計の数字です。
自己血輸血に同種血輸血量削減、同種免液抗体産生予防効果
(Medical Tribune 2003.3.27号に紹介されました。)
八王子医療センターにおける1998〜2002年の手術時の輸血使用量と不規則抗体発生の有無をレトロスペクティブに調査した。
その結果、赤血球製剤と自己血輸血量の推移を見ると、赤血球製剤使用量は内科系診療科、外科系診療科では5年間にほとんど変化はなく、救命部でのみ増加しており、自己血使用量も増加していた。
外科系診療科における赤血球製剤の輸血量の推移を見ると、救命部、耳鼻科で使用量が増加し、消化器外科では使用量が減少していた。
手術室における輸血使用状況の推移を見ると、手術件数が増加しているため、輸血の総使用量と総使用人数も増加していた。1患者当たりの平均輸血量は、 1998〜2000年は減少していたが、2001〜2002年は肝移植などの重症患者が増加したため、やや増加した。
自己血輸血使用人数は5年間で倍増しているが、同種血併用率がやや増加していた。手術室での全赤血球製剤使用量に対する自己血の割合は2000〜2002年はほぼ一定(約40%)だった。
手術時の同種血輸血(2〜18単位)による不規則抗体発生率は0.6%(1,059例中の6例)だったが、自己血輸血のみの症例(1,002例)では不規則抗体の発生は見られなかった。不規則抗体の種類は5例がRh系抗原に対する抗体で、1例がLe抗原に対する抗体だった。
整形外科、泌尿器科、心臓血管外科、消化器外科における自己血および赤血球製剤の使用量を比較したところ、消化器外科以外で自己血輸血量が増加し、同種血輸血量が低減していた。
次に整形外科と消化器外科において、自己血輸血の直接的効果として同種血輸血を使用せず自己血輸血のみを実施した症例を対象に、循環血液量と手術時出血量から必要輸血量を算出し、2002年の1年間にどの程度の同種血輸血を削減できたかを調べた。
その結果、整形外科における変形性膝関節症と頸椎症性脊髄症に対する手術では出血量が少なく、輸血を必要とする症例が少ないため、削減できた輸血量は少なかった。変形性股関節症と腰椎椎間板ヘルニアに対する手術では出血量が多かったため、削減できた輸血量が多く、合計93単位の同種血輸血が削減できた。
消化器外科における胃癌、十二指腸乳頭部癌、直腸癌、大腸癌に対する手術で削減できた同種血輸血は33単位で、消化器外科では緊急手術症例や術前ヘモグロビン値が低い症例などの自己血輸血非適応が多く、症例ごとの出血量の差が大きかった。
患者様へのメッセージ
- 血液凝固系異常症の疑いのある患者様については積極的にご相談に応じています。また、検査全般や輸血についてのご要望があれば担当医を通じてご連絡いただきたいと存じます。




