会長      高崎 
東京医科大学老年病科教室

  44回日本老年医学会学術集会・総会のご案内に当たり.謹んでご挨拶を申し上げます。200261214日に東京において、第44回日本老年医学会学術集会・総会を主催させて頂くことを大変光栄に存じております。

 わが国における老年医学が本格的に独自性を主張し始めたのは、20世紀半ばからですので、その歴史は余り長くはありませんが、その間に急速に進展した人口の高齢化に伴って、その重要性が認識され、今日、臨床医学、基礎医学、社会科学の3分野からなる学問体系として内容的にも大きな成長を遂げて来ております。

 1984年、WHOは「高齢者の健康は生死や罹病の有無によってではなく、生活機能における自立の如何によって判定する」と提唱しておりますが、老年医学の目標は単なる延命ではなく、全人的包括医療の視点に立って、QOLの向上に主眼を置いた予防医学、すなわち、老年病の発症及びそれによる生活機能障害を抑制して健康寿命の延長を図ることにあります。

 高齢者医療の進歩と老年医学の進歩は車の両輪であり、老年医学会では、高齢者に関する臨床医学、老化機構の解明とその制御(遺伝子操作)、再生医学研究とその臨床応用、等と並んで高齢者の保健・医療と介護・福祉、その他、高齢社会における様々な問題点などを集学的に論議してその成果を逐次、医療面に還元して質の向上を図り、更には政策や医療制度の立案にまで反映していく事を目指しております。

 今回の第44回学術集会においては、高齢者医療に対する基本的な理念を十分議論する機会とするために、基本テーマとして「21世紀のよりよき老人医療の確立」を掲げ、以下に述べますような幅広い構成でプログラムを組みました。

 招待講演では「この半世紀における加齢に伴う脳神経疾患の変遷」と題して、Montefiore Medical Center神経病理教授平野朝雄先生にご講演戴く予定になっております。また、特別講演では「加齢とQOL」を聖路加病院理事長日野原重明先生に、「高齢者の薬物代謝-最近の進歩」を慶応義塾大学薬剤部教授谷川原祐介先生にお願い致しました。

 シンポジウムでは、老人医療におけるEBMを取り上げ、動脈硬化性疾患の一次予防・二次予防に関する最新のEBMが老人医療にどのように関わっているかについて、その位置づけが我が国の第一人者によって明らかにされることと思います。また、老年病として脳卒中や骨粗鬆症を基盤とする一連の病態を縦断的に捉え、各ステップでの予防と管理に関するシンポジウムを設けました。さらに、ワークショップ・イブニングシンポジウム・教育講演・市民公開講座と、基本テーマに相応しい盛り沢山のプログラムが予定されており、特に、教育講演では多方面から各分野の専門家をお呼びして、お話を伺うことになっております。

 一般演題も300数十題を予定しております。多くの発表と活発な討論がなされ、注目すべき新しい研究成果や高齢者医療への画期的な提言が世界に向けて発信される事を期待しております。多数の方々がこの学術集会にご参集下さり、有意義な稔の多いものとして頂けるようお願いする次第でございます。お出ましを心よりお待ち申し上げております。

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