【医学科】海外臨床実習

本学医学科では、第6学年の診療参加型選択臨床実習 (*) の一貫として、4月の1カ月間、本学が学生交流を締結している海外の施設での臨床実習を選択することができます。海外臨床実習は、毎年5年次に募集があり、英語面接、共通試験の成績、TOEFL iBTスコアなどから総合的に選考されます。選考された学生は、自由な学び系科目「海外臨床実習コミュニケーション」で事前学修を行い渡航します。帰国後は学内の医学会総会にて、英語による留学報告を行います。毎年、TOEFL iBTの対策講座が開催され、応募前から帰国後まで一貫した学修・留学支援を行っています。2026年度は22名の学生が海外臨床実習に参加しました(10ヶ国13施設)。

(海外臨床実習についての詳細は、国際交流支援室HPをご覧ください)

*診療参加型選択臨床実習:第5学年の1月~第6学年の7月までの間に希望する診療科で1ヶ月ずつ実習を行います。診療チームに参加し、その一員として診療業務を分担し、将来どの診療科の医師になるとしても最低限必要な医学知識・臨床推論法・技能・態度などの能力を実践的に身につけます。

<留学報告(医学科第6学年:2026年度実績)>


【留学先】ユトレヒト大学(オランダ) 

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異国で学んだコミュニケーション文化


 私は、ヨーロッパの医療環境に興味があり、オランダのユトレヒト大学病院の麻酔科で1か月間の臨床実習を行いました。

 実習では、麻酔管理に加え、オンコールでの外傷対応に参加しました。初めの1週間は、会話のスピードや現地の医学生のレベルの高さに自信をなくし、消極的になっていましたが、メンターの先生から、「オランダはダイレクトに伝える文化だから、リラックスしてやりたいことを伝えなさい」と助言をいただきました。実際に現場を見渡すと、年齢や職種を問わずに活発に意見が交わされており、日本の「空気を読む文化」とは対照的でした。私も、文化の違いを意識し、英語が聞き取れないときは遠慮せずに聞き返し、性適合手術や移植の症例や、気管挿管などの手技への参加を積極的に希望しました。

 休憩室では、名物のストループワッフルをご馳走になり、チューリップ畑や自転車文化などの、オランダならではの生活について伺いました。また、大学や寮の学生と互いの国について語り合うことで、親睦を深めることができました。

 こうした現地での交流を通じ、オランダでは率直に意見や疑問を伝え合い、相手の違いを受け入れる文化が根付いており、このような文化が、職場での心地よい雰囲気を作り出していると実感しました。

 今回の海外臨床実習では、新しい環境に飛び込み、自ら行動することで、視野を広げる貴重な経験をしました。今後も柔軟な姿勢を持ち、さまざまな価値観を尊重できる医師を目指したいと思います。このような貴重な機会をくださった関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。

【留学先】ロイヤルビクトリアン アイ アンド イヤー ホスピタル(オーストラリア)

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人工内耳が繋げたご縁


 オーストラリア。生まれつきの難聴で、人工内耳を装用している私にとって思い入れのある国です。というのも、人工内耳の開発・研究・臨床・療育において世界トップクラスの実績を誇るからです。世界初の人工内耳手術が行われたThe Royal Victorian Eye and Ear Hospital(以下、Eye and Earという)で実習することを長年夢見ており、派遣が決まった時は天にも昇るような気持ちでした。

 Eye and Earでは、様々な外来や手術を見学しました。学生指導の熱意が高く、患者背景、鼓膜所見、画像所見、内視鏡所見等を丁寧に説明していただいただけでなく、耳鏡や音叉を用いた診察、患者への問診も担当し、有意義な実習となりました。

 Cochlear Implant Clinic では、人工内耳を検討している患者さんや装用者とのやり取りが記憶に残っています。診察の際に、医師が私のことを 「She is a bilateral cochlear implant recipient.(訳:彼女は両耳に人工内耳を入れています。)」と紹介してくださるので、患者さんとの距離が一気に縮まりました。騒音下や複数での会話がいかに聞き取りづらいかという話題で盛り上がり、難聴者の悩みは国籍を問わず世界共通だと感じました。人工内耳装用者としての経験を生かすことができ、やりがいを感じられました。

 将来耳鼻科医を目指す者として、この1か月は非常に濃密な時間を過ごすことができました。海外臨床実習の準備段階から実施まで、お力添えいただいた皆様に心より御礼申し上げます。最終日、お世話になったスタッフ一人一人に挨拶した時に様々な思いが込み上げてきて、涙を堪えるのに必死でした。今回学んだすべてのことを糧に、さらに精進してまいります。

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