卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
医学部医学科では、建学の精神(⾃主⾃学)、校是(正義・友愛・奉仕)に基づき、患者とともに歩む医療⼈を育てることを⽬指しています。カリキュラム・ポリシーに沿ったカリキュラムを履修し、かつ学年ごとに定めた進級要件を満たし、さらに以下の教育到達⽬標に定める資質・能⼒を⾝につけた学⽣に学⼠(医学)の学位を授与します。
教育到達⽬標
- 礼儀・礼節を備え、敬意と思いやりの⼼をもって他者に接することができる。
- リベラルアーツに裏打ちされた広い⾒地と豊かな教養を⾝に付け、全⼈的医療を実践するための能⼒を備えている。
- 医療プロフェッショナリズムを理解し、⾏動で⽰すことができる。
- 科学的根拠に基づいた医療の知識や技能を修得し、診療の実践に応⽤できる。
- 能動的な学習⽅法を⾝につけ、⽣涯に渡り研鑚を積む習慣を備えている。
- ICT(情報通信技術)を利⽤して的確な医学情報を収集し、活⽤することができる。
- 多職種と協調したチーム医療の意義を理解し、実践に応⽤できる。
- 予防医学、保健・福祉を理解し、地域医療に貢献するための能⼒を備えている。
- 国際的視野を有し、世界の⼈々の安全、健康と福祉に貢献するための能⼒を備えている。
- 医学研究の意義を理解し、基本的研究⼿法を⾝につけている。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
医学部医学科では、ディプロマ・ポリシーで設定している教育到達⽬標を学年の進⾏にしたがい段階的に達成できるよう、次のような⽅針に基づいて学修成果基盤型カリキュラムを編成し実施します。
- 医学知識や技能のみならず、コミュニケーション能⼒や礼儀・礼節も備えた医学⽣として成⻑できるよう、⼊学早期から少⼈数でのグループ学習や臨床体験実習を実施します。
- さまざまな分野から得た⾒地を⼈間理解や医療に活かせるよう、哲学、社会科学、医療⼼理学・死⽣学などの⼈⽂社会系科⽬や、物理学、化学、⽣物学などの⾃然科学系科⽬を1年次に配置します。
- 医療⼈として必要な倫理・規範等を学ぶ⾏動科学・患者学、医療プロフェッショナリズム、医療倫理などの科⽬を、学年を横断して配置します。
- 医療の知識・技能を段階的に⾝につけることができるよう、まず、1 年次から臨床的な視点で基礎医学を学ぶとともに、2 年次までに診療技能の基本を修得します。次に、3年次からは基礎医学と臨床医学が連携した臓器別科⽬を配置します。さらに、⼊学早期から医療現場や地域医療実習を体験するとともに、知識と技能を統合した臨床推論能⼒を修得できるよう、4年次後半からは臓器別ローテーション実習や診療参加型臨床実習を実施します。
- ⾃⼰学習する習慣を涵養するため、PBL(Problem-based learning)やTBL(Team-based learning)などの能動的授業⽅法を取り⼊れた科⽬を配置します。また、1年次からe ラーニングシステム「e-⾃主⾃学」を⽤いた予習・復習に取り組むほか、低学年での症候学⼊⾨や早期臨床体験実習、⾼学年での臨床実習では振り返りや学修成果の蓄積にe ポートフォリオシステムを活⽤します。
- ⽂書作成やプレゼンテーションに必要なソフトウエアの使い⽅を修得するとともに、ICT(情報通信技術)を利⽤して適切な情報収集・活⽤ができるよう、情報科学、課題研究、グループ別⾃主研究などの科⽬を学年横断して配置します。
- 臨床実習の中でチーム医療を学ぶとともに、看護学科や他⼤学との多職種連携教育を実施します。
- 社会医学・公衆衛⽣や保険・医療・福祉制度などを理解する社会医学系科⽬を2年次から4年次まで継続的に配置します。
- 国際⼈の基盤となる⼀般教養や英語を1年次から4 年次まで継続的に配置し、また、6年次には海外実習の機会を設けます。
- リサーチマインドを涵養するため、1、2 年次には基礎医学科⽬の実習、4年次には基礎医学の研究室に所属して研究するグループ別⾃主研究を配置します。
- 全ての科⽬の成績評価の⽅法をシラバスに明⽰して厳格な成績判定を実施します。また、2・5・6 年次には総合試験を⾏うほか、4 年次には共⽤試験CBT・OSCE、6 年次にはpccOSCE(臨床実習後の臨床実技試験)によっても評価します。さらに、6年間の学修成果をアセスメント・ポリシーにしたがって総合的に評価します。
入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)
本学の建学の精神は「自主自学」であり、自主性を重んじた医学教育を実践しています。校是として「正義・友愛・奉仕」を掲げ、ミッションとして患者とともに歩むことのできる医療人を一世紀にわたり育成してきました。
本学では、この建学の精神、校是およびミッションを理解し、高い志をもって医療人を目指す、次のような人を求めています。
- 十分な基礎学力を持ち、自ら問題を発見し解決しようとする意欲のある人
- 基本的な倫理観と思いやりの心を持ち、利他的に考えることができる人
- 礼節を重んじながら自らの考えを他者に伝えるとともに、他者の多様な意見を理解しようとする協調性と柔軟性に富む人
- 多様な文化、変容する社会の中での自らの使命を理解しようとする人
入学試験での評価は、以下のように行います。
基礎学力については、筆記試験および小論文で評価します。
自ら学ぶ意欲、自らの使命の理解、利他的な考え方については、面接および調査書で評価します。
自らの意見を他者に伝える能力、他者の多様な意見を理解できる協調性と柔軟性については、面接および小論文で評価します。
入学までに身につけておくべきこと
医学部医学科の6年間では、幅広い分野の知識や技術を修得し、実践していくことが必要です。また卒業後は、医師として、生涯にわたって学習を続けていくことが求められます。そのために、医学部医学科に入学するまでに、以下の教科・科目についての十分な基礎学力とともに、粘り強く自ら学ぶ態度を身につけていることを強く望みます。
数学:数量的な概念の理解、論理的思考力、計算力
理科:物理、化学、生物など自然科学についての基礎的理解と科学的思考力
国語:日本語の文章読解力、文章構成力、論理的表現力
英語:英語の読解力、表現力、基礎的なコミュニケーション能力
地理歴史、公民:基礎的な知識に基づいて、物事を社会的視点から理解する能力
特別活動、課外活動等:医学・医療への目的意識、奉仕の心、協調性
学修成果・教育成果を把握・検証する方針(アセスメント・ポリシー)【医学部共通】
本ポリシーは教育の質向上を推進するため、三つのポリシー(アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー)に基づく学修成果・教育成果を把握・検証する⽅針を定めたものです。
- アドミッション・ポリシーを満たす⼈材か、カリキュラム・ポリシーに則って学修が進められているか、ディプロマ・ポリシーに⽰された基準を達成できているかについて、様々な評価指標をもとに多⾯的に評価します。そのため教学に係る全学統合データベースの整備を⾏います。
- 教育課程(学科)レベルの学修成果は、⼊学試験成績、各学年終了時や卒業時の成績の分布状況、GPA、進級率、国家試験合格率のほか、新⼊⽣アンケート、学修⾏動調査、卒業時アンケート、卒業⽣アンケートなど直接評価・間接評価を⽤いて把握します。
- 授業科⽬レベルの成績評価は、シラバスに明⽰された評価⽅法・評価基準に基づき、学則および東京医科⼤学GPA(Grade Point Average)実施要項等に則り厳格に⾏います。また、シラバスの充実に努めます。
- 学修成果の達成状況を学⽣・教員にフィードバックします。
- 学修成果の検証は、教授会、教育IR センター、アドミッションセンター、および各学科の関連委員会等が連携して⾏います。
- 学修成果の検証結果を授業内容・教育⼿法・カリキュラムの改善につなげ、継続的な教育の質向上に努めます。
- 学⽣の学修成果、⼤学全体の教育成果についての情報を社会へ公表します。