これまでに、 東京医科大学皮膚科学分野の坪井良治名誉教授および原田和俊主任教授を中心とする研究チームは、東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科 新山史朗准教授および株式会社資生堂再生医療開発室(細胞培養加工等担当)と共同で、脱毛症や薄毛に悩む方々を対象に、医師主導の臨床研究を行いました 。その結果、自家毛髪培養細胞を用いた細胞治療法に安全性と改善効果を認め、男女の壮年性脱毛症の新しい治療法になりうることを示してきました。
今後臨床における治療法の確立を目指すためには、頭頂部とその周辺のより広い範囲の薄毛部に自家毛髪培養細胞を複数回投与し、見た目でわかる治療効果と安全性を示す必要があることから、この度、杏林大学医学部皮膚科学教室 大山学教授の研究チームを加えた3施設で、新たな臨床研究を開始します。 なお、広範囲の薄毛部に複数回投与する試験は初めての試みです。
今回の臨床研究により再生医療による新しい薄毛治療法の実現を目指していきます。
なお、この研究成果は、2020年3月5日付のJAAD誌((Journal of American Academy of Dermatology)オンライン版)に掲載されております。