2021/03/31
研究活動 プレスリリース

【プレスリリース】東京医科⼤学医学総合研究所の落⾕孝広教授が参画する研究チームが、肝硬変に対するエクソソームを用いた新たな治療法の可能性- 肝硬変への新たな再生医療を目指して -

 このたび、本学医学総合研究所の落⾕孝広教授が参画する共同研究で、日本に患者が40万人程度いると考えられる肝硬変に対し、間葉系幹細胞(#1)から産生され非常に小さく、安定な細胞外小胞・エクソソーム(#2)がマクロファージ(#3)を介して治療効果を発揮することを明らかにしました。またインターフェロンγ(#4)で刺激した間葉系幹細胞の産生するエクソソームは肝硬変に対する治癒促進効果をもつマクロファージを誘導する為に必要な物質を含むことも明らかにしました。この成果は、肝硬変に対する新たな有効物質の同定や、エクソソームを用いた新たな治療法の開発につながる可能性があります。

 これらの研究成果は、2021年3月30日、npj (Nature Partner Journals) Regenerative Medicine誌に掲載されました。

【本研究成果のポイント】

  •  間葉系幹細胞から産生されるエクソソーム、特にインターフェロンγであらかじめ刺激した後に産生されるエクソソームは、内容物の有効成分がより濃縮されており、肝硬変の組織修復に重要な働きをもつマクロファージを組織修復に働くように変化させることを明らかにしました。
  •  インターフェロンγであらかじめ刺激された間葉系幹細胞から産生されるエクソソームを取り込んだマクロファージはより効率的に肝臓の障害部に移動し、肝硬変の組織修復に働くことを明らかにしました。
  •  現在、効果的な肝硬変の線維化改善や再生促進を促す薬がない中、この新たな発見は有効な肝再生療法へとつながる可能性があります。

■プレスリリースはこちら>(PDF)

■東京医科大学 医学総合研究所 分子細胞治療研究部門のHPはこちら>

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