2022/09/14
研究活動

【プレスリリース】口腔がん細胞は細胞外に分泌する小胞を介して正常血管のバリア機能を低下させる ~がんの遠隔転移を予防する新規治療法の開発に期待~

 東京医科大学(学長:林由起子/東京都新宿区)の医学総合研究所の吉岡祐亮講師と落谷孝広教授が参画する共同研究グループ(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 病態生化学分野: 小林美穂 助教、藤原花汐 大学院生・高橋和樹 連携研究員・井上カタジナアンナ 助教、渡部徹郎 教授)が、がんの増悪化を誘導するトランスフォーミング増殖因子(TGF-β)が、がん細胞からの細胞外小胞(Extracellular Vesicles: EVs)の分泌を促進させ、そのがん細胞由来EVsが正常血管の不安定化を誘導するという、TGF-βが間接的にも転移を促進する原因となることをつきとめました。今回の研究成果では、TGF-βがEVsを介してがん微小環境を越えた遠隔臓器の細胞にも情報を伝えて血管に変化を生じさせることができるという、TGF-βのがん悪性化因子としての新たな役割も発見されました。これらの結果は将来的に、体液中に含まれるEVsを検査することや、がん細胞からのEVsの分泌やEVsによって誘導される内皮間葉移行(EndoMT)を抑制することで、遠隔転移を予防・抑制する方法の開発へ応用されることが期待されます。

 この成果は、国際科学誌「Inflammation and Regeneration」に、日本時間2022年9月4日にオンライン掲載されました。


【ポイント】

  • がんの増悪化を誘導するTGF-βが、がん細胞から分泌される細胞外小胞を介して、間接的に転移を促進することをつきとめました。
  • TGF-βにより運動・浸潤能を上昇した口腔がん細胞はより多くのEVsを分泌し、そのEVsが正常血管内皮細胞に取り込まれることでEndoMTによる血管のバリア機能の低下が誘導されることが明らかになりました。
  • がんの転移前に予測・予防する方法の開発への応用が期待できます。


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