東京医科大学(学長:林由起子/東京都新宿区)医学総合研究所 分子細胞治療研究部門の落谷孝広教授と東京慈恵会医科大学 泌尿器科学講座の木村高弘教授、占部文彦助教、および国立がん研究センター研究所 病態情報学ユニットの山本雄介ユニット長らの研究チームは、前立腺癌細胞から分泌されるエクソソームが骨の腫瘍微小環境に与える機能として、前立腺癌細胞由来のエクソソーム膜上に存在するCDCP1が破骨細胞の分化を誘導していることを明らかにしました。また、骨転移を有する前立腺癌患者では、血中エクソソームに含まれるCDCP1の発現が上昇しており、前立腺癌骨転移における新規病態解明および診断法の確立につながることが期待されます。
本研究成果は、2023年3月7日に英国科学誌「Journal of Extracellular Vesicles」電子版に掲載されました。
【本研究のポイント】
・前立腺癌細胞由来のエクソソームが破骨細胞の分化を誘導することを明らかにしました。
・CDCP1というエクソソーム膜上に存在する分子が、分化誘導因子であることを同定しました。
・今後、エクソソーム膜上に存在するCDCP1を治療標的とした治療法の開発や、バイオマーカーとしての有効性の更なる検証が期待されます。
■プレスリリースはこちら>>