2023/07/27
研究活動 プレスリリース

【プレスリリース】結腸脾弯曲部に向かう変異動脈の走行経路には 2パターンあることを初めて明らかに ~結腸脾弯曲部がんに対する膵損傷リスクの少ない 新しい血管処理方法の確立に期待~(医学科生が筆頭著者)

 東京医科大学(学長:林 由起子/東京都新宿区)人体構造学分野 伊藤正裕主任教授、表原拓也客員研究員(順天堂大学 解剖学・生体構造科学講座准教授)、河田晋一助教、消化器・小児外科学分野 永川裕一主任教授、榎本正統准教授、医学科第6学年 岡崎倫和(筆頭著者)、諏訪赤十字病院 外科 天野隆皓 副部長(前・がん研有明病院 大腸外科)らの研究グループは、結腸脾弯曲部に分布する動脈の走行経路を肉眼解剖学的に精査することで、以下の知見を得ました。本研究の成果は、結腸・直腸疾患を扱う専門誌「Diseases of the Colon & Rectum」のオンライン版に掲載されました(現地時間2023年7月26日公開)。
 なお、今回の研究結果は、結腸脾弯曲部がんの手術における血管処理に伴う膵損傷リスクの少ない、より安全な術式の確立に繋がることが期待されます。


【研究のポイント】

  • 献体されたご遺体を用いて、横行結腸に分布する動脈の走行経路を、個人差を排して可視化する新たな解析手法を確立しました。
  • その結果、上腸間膜動脈から結腸脾弯曲部に分布する変異動脈の走行経路として、膵臓の下縁に沿って走行する場合と膵臓から離れた位置を走行する場合との2パターンあることを初めて明らかにしました。

研究者コメント(表原拓也 人体構造学分野 客員研究員(研究当時 講師))
 本研究は、当時同大医学科第2学年であった岡崎倫和さん(現・医学科第6学年、本論文の筆頭著者)が解剖実習中に、結腸に分布する動脈の走行についてふとした気付きを得たことがきっかけで始まりました。解剖実習を担当する人体構造学分野では『観察力』の重要性を説いてきましたが、まさにその観察力を活かし、論文という形でまとめるに至ったことを素直に嬉しく思います。

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https://www.tokyo-med.ac.jp/news/2021/0524_163857002686.html


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