2024/08/21
研究活動 プレスリリース

【プレスリリース】超音波画像マーカーによる肝臓の炎症、脂肪化、線維化の評価を確立 ~超音波画像マーカーにより低侵襲な肝病態評価が可能~

 東京医科大学(学長:林由起子/東京都新宿区)消化器内科学分野 糸井隆夫主任教授、杉本勝俊准教授らが、キヤノンメディカルシステムズ社の超音波診断装置(Aplio i800)で測定可能な3つの画像マーカー:Dispersion slope (DS)、Attenuation coefficient (AC)およびShear wave speed (SWS)を肝生検で診断したMASLD (Metabolic-dysfunction Associated Steatotic Liver Disease)およびMASH(Metabolic-dysfunction Associated Steatohepatitis)患者に対してそれぞれ測定し、各画像マーカー(DS, AC, SWS)と肝生検による病理学的な因子(炎症、脂肪化、線維化)との関連について評価しました。その結果、DSは炎症、ACは脂肪化、SWSは線維化と関連があることが分かりました。特に、肝臓の炎症を画像的に評価する確立された手法はなく、今後の臨床展開が期待されます。なお、この研究は日本を中心としたアジア各国、米国、および欧州を含む多施設国際研究として行われました。
 この研究成果は、2024年8月20日、国際学術誌「Radiology」に掲載されました。

【本研究のポイント】

  • 下記の超音波画像マーカーにより肝臓の炎症・脂肪化・線維化の評価が可能であり、MASLD/MASH患者の病態評価に有用
    • Dispersion slopeは肝臓の炎症と相関する
    • Attenuation coefficientは肝臓の脂肪化と相関する
    • Shear wave speedは肝臓の線維化と相関する

20240821photo.jpg

2023年12月の北米放射線学会(RSNA)会期中(米国シカゴ)のiLEAD参加者との集合写真。杉本准教授は2列目左から5番目。


プレスリリースはこちら>>

■消化器内科学分野HPはこちら>>

ページトップ