2025/10/15
研究活動

がんのサポート役を狙い撃ち -3D ミクロ腫瘍で見えた新たながん治療標的-

【概要】

 東京医科大学(学長:宮澤啓介/東京都新宿区)医学総合研究所 未来医療研究センター 分子細胞治療研究部門 西田奈央 客員研究員(兼任:早稲田大学高等研究所・講師)は、米国フレッド・ハッチンソンがん研究センターの研究チームとともに、実際の患者体内の腫瘍に近い「3Dミクロ腫瘍モデル」を使って創薬スクリーニングを行い、従来の創薬スクリーニング手法では見逃されていた、がんの「サポート役」の細胞に効く薬を多数発見しました。本研究で用いた手法は、がんの「サポート役」の細胞を標的とする新しい治療法の開発につながります。

 本研究成果は2025年9月19日に国際学術誌Cell Reports Medicine(オンライン版: IF=10.6)に先行公開され、10月号に出版されます。

【本研究のポイント】

  • 体内に近い立体的ながん組織(3Dミクロ腫瘍)を使った創薬スクリーニングにより、従来の方法では見逃されていた、がん細胞のまわりにある「サポート役」の細胞の働きを弱める薬を多数発見しました(概要図)。
  • 「ドラマピモド」という薬が、サポート役の細胞の一つである腫瘍随伴線維芽細胞の働きを抑制することでがん増殖を抑え、既存の抗がん剤や免疫治療薬との併用効果を高めました。
  • 3Dミクロ腫瘍を用いた創薬スクリーニングは、がん細胞の「サポート役」の細胞を狙い撃つことで治療効果を上げる、新しいタイプのがん治療法の開発につながると期待されます。

【論文情報】

タイトル:Drug Screening in 3D Microtumors Reveals DDR1/2-MAPK12-GLI1 as a Vulnerability in Cancer-Associated Fibroblasts

著  者:Nao Nishida* (Waseda University), Songli Zhu(Fred Hutchinson Cancer Center), Marina Chan(Fred Hutchinson Cancer Center), Yuqi Kang(Fred Hutchinson Cancer Center), Maihi Fujita (University of Utah), Xiuyun Jiang(Univeristy of Washington), Maxwell McCabe(University of Colorado), Joel M. Vaz(Fred Hutchinson Cancer Center), Nancy E. Davidson(Fred Hutchinson Cancer Center), Cyrus M. Ghajar(Fred Hutchinson Cancer Center), Kirk Hansen(University of Colorado), Alana L. Welm(University of Utah), Vanu G. Pillarisetty (University of Washington), Taranjit S. Gujral (Fred Hutchinson Cancer Center) *筆頭著者

掲載誌名:Cell Reports Medicine 

DOI: https://doi.org/10.1016/j.xcrm.2025.102357

■早稲田大学のプレスリリースはこちら>>

■医学総合研究所 未来医療研究センター 分子細胞治療研究部門HPはこちら>>

〈研究者紹介〉

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筆頭著者の西田奈央 客員研究員

医学総合研究所 未来医療研究センター 分子細胞治療研究部門(兼任:早稲田大学高等研究所・講師)

研究者紹介HP:https://www.waseda.jp/inst/wias/other/2022/04/01/8990/

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