2020年度医学部医学科入学試験手続に関する入学試験監査委員会による監査結果

 2020年度医学部医学科入学試験手続につき、入学試験監査委員会による監査が行われました。

 本学は、入学試験監査委員会の監査結果・ご提言を受けて、今後とも、適正に入学試験を実施して参ります。

 なお、入学試験監査委員会各位が、新型コロナウイルス感染症対策のご多用中にもかかわらず、監査にご尽力いただいたことに深く感謝申し上げます。


〇 監査結果
(1)採点結果の集計

  • 実際の採点結果を取りまとめた上で入試システムPCに入力する作業において、採点結果と異なる数値が恣意的に入力された事実があったとは認められない。
  • 同作業において、性別や高校卒業年等の属性を加味した調整が行われた事実があったとは認められない。
  • 同作業において、その他適正性に疑義のある行為が行われた事実があったとは認められない。

(2)入試委員会における審議・承認過程

  • 入試システムPCに入力されたデータが、入試委員会における合否判定資料(合格者選定名簿)となっていたと認める。
  • データの改ざんが行われた事実があったとは認められない。
  • 合格者選定において、合否の判定基準に基づき、合格者を選定したと認める。
  • 合格者選定において、性別や高校卒業年が考慮要素とならないように対策(例えば、配布資料に、性別、氏名、年齢を記載しない等)がとられていたと認める。
  • 合格者選定名簿において、その者の成績よりも上位の者の合計人数が募集定員を下回る場合にもかかわらず不合格とした事実があったとは認められない。
  • 合格者選定名簿において、その者の成績よりも上位の者に不合格者がいるにもかかわらず合格とした事実があったとは認められない。
  • なお、一般入学試験・センター試験利用入学試験の第2次試験に関し、入試委員会における合格者選定名簿に基づく合格者選考後、合格者選考に直接利用しない当該名簿の「併願」欄の順位が欠席者を含めたものになっていることが分かったため、再度、入試委員会を開催し、「併願」欄の順位を補正していたことが当委員会への報告で判明した。このため、当委員会において、その経緯の詳細を検証するとともに、あらためて「併願」欄の順位補正前後の合格者選定名簿を比較検証した結果、「併願」欄の順位の記載以外の部分は同一で、順位に変動がなかったこと(合格者選定名簿において、その者の成績よりも上位の者に不合格者がいるにもかかわらず合格とした事実はなかったこと)を確認した。

(3)教育委員会における審議・承認過程

  • 入試委員会における合否判定の過程、結果が議事録記載のとおり報告されたと認める。
  • 入試委員会における合否判定の結果と異なる判定をした事実があったとは認められない。

(4)医学科教授会における審議・承認過程

  • 教育委員会における合否判定の過程、結果が議事録記載のとおり報告されたと認める。
  • 教育委員会における合否判定の結果と異なる判定をした事実があったとは認められない。

(5)学長による合否判定

  • 学長による合否判定が、医学科教授会における合否判定の結果を踏まえたものであったと認める。
  • 医学科教授会における合否判定の結果と異なる判定をした事実があったとは認められない。

(6)合格発表

  • 合格発表内容が、入試委員会、教育委員会及び医学科教授会の審議結果を受けた学長による合否判定結果と齟齬がないと認める。

(7)繰上合格

  • 繰上合格について、事前に定めた基準に基づいて行われたと認める。
  • 繰上合格を、合格者選定名簿の成績順に行わなかった事実があったとは認められない。


〇 提言等

1 前年度監査報告書の提言について(検証)
(1)入試委員会の独立性確保とその検証・確認の継続
 入試に関する入試委員会の独立性は保たれていると考える。今後も、さらなる継続をお願いしたい。
(2)審議過程の透明性確保 ~教育委員会の議事録の整備
 前年度の監査委員会報告書で教育委員会の議事録に署名捺印がなされていなかったことを指摘したが、今年度の監査では、教育委員会の議事録において署名捺印が行われるように改善されたことを確認した。
(3)相談窓口(相談員)の設置等
 前年度の監査報告書では、内部通報制度の充実を提言した。
 この点に関しては、大学と医学科同窓会との間で、入学試験における不正・不当な依頼・要求を断固拒否すべきこと、また、あってはならない逸脱的依頼を受けること・行うことを禁止したこと、さらに、入試業務に関与する教職員から、不当な要請を拒絶する旨も含む誓約書を取得していること、また、気軽に相談できる相談窓口(相談員)としては、内部監査室がこれを担う相談窓口とし、教職員への周知を強化していることが認められ、なお道半ばではあるが、東京医科大学が入学試験における不正・不当を排除するための努力を続けていることを確認した。
(4)本報告書の公表 ~さらなる改善努力の継続
 前年度の監査報告書では、平成31年度(2019年度)入学試験の実情を対外的に公表すること、それによって大学としての説明責任を全うするとともに、引き続きさらなる改善努力を重ねることこそが、東京医科大学に課された社会の信頼回復の途であると思料する旨の提言を行った。
 この提言を受け、東京医科大学は令和元年7月8日に当委員会の監査委員会報告書を公表した。さらに、東京医科大学は本報告書も公開する意向を示しているところであり、今後も大学としての説明責任を全うするとともに、引き続きさらなる改善努力を重ねることを期待したい。
2 今後への提言
 不適切な入学試験が指摘された後、2年度にわたる入学試験で外部委員による監査を受け、入学試験の適正性を確実に確保しようとした東京医科大学の姿勢は評価されるべきものと考える。今後も入学試験が適正に実施されていることを検証し続けるべきであり、その時、当委員会が行った監査作業が役立つことを期待している。
 なお、「併願」欄の順位にかかる入試委員会に関する事項は改善すべき点である。東京医科大学は不適切な入学試験という社会問題を引き起こし、それを改善し、社会に向けて適正な入学試験を実施していることを示さなければならない。そのために、第三者委員会による調査をはじめ様々な努力を続けている。
 もとより、東京医科大学が過去の経験を活かし、適切な入学試験を行っていることを示すという社会への責任は、学長、理事長だけが負うものではなく、東京医科大学を支えるすべての教職員が負うべきものである。「併願」欄の順位にかかる入試委員会に関する事項からすれば、東京医科大学では、職員の部署間の連携及び教員と職員との連携になお解決すべき課題を抱えていると思料される。大学を支えているのは一人ひとりの教職員と学生である。教職員一人ひとりが、医科大学が持つ社会的責任を考え、その責任を果たすためにどのように職務を行うべきなのかを考える組織文化を育てていくことにより、東京医科大学がさらなる改善に進むことを切に希望する。


■入学試験監査委員会報告書(公表版)2020年度版はこちら>>

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