学長挨拶

東京医科大学の新生に向けて

  東京医科大学 学長 林 由起子

 東京医科大学は、今般の一連の不祥事により、創学以来100余年にわたって築いてきた社会からの信頼を大きく失墜させました。私たちは、このことを真摯に受け止め、長い年月の間に学内に積もったと考えられる問題点を徹底的に究明しながら、東京医科大学の新生に向けてその第一歩を踏み出していかなければなりません。そのためにまずは、公平公正な入学試験を実施することと同時に、これまでに不利益を被らせてしまった受験生の皆様に対し誠実かつ適正に対応してまいります。また、理事会構成員の一人として、内外のご意見を集約しながら、本学のガバナンス改革に取り組みます。この改革に終わりはなく、永続的なものとし、積極的に情報を開示していきたいと思います。

 大学における教育面では、高い倫理観を備えた態度教育を重視し、患者さんを「病に悩む隣人」として全人的に理解するこころを涵養していきます。このために、介護・養護等の現場での学外実習・社会活動を通じて「社会のなかの医療」を見る目を育成すると同時に、国際交流の一層の充実による「世界における日本の医療」を俯瞰できるグローバルな視点を養成します。同時に、医学という学問を科学的視点で捉え、問題を発掘し、論理的に解決方法を探る「真のリサーチマインド」の育成に早期から取り組みます。これにより、トップクラスの診察力を持ち、生涯リサーチマインドを持ち続け、日々向上していく医療人としての根幹を形成したいと思います。

 大学にとって「知の力」こそが本質的な存在意義と考えます。個々の研究者、大学院生の能力を最大限引き出せるよう研究環境を整備するとともに、産学官連携をより積極的に進めることで、本学における研究活動を活性化させます。また、より良質な研究成果を継続的に世界に発信し続けるためには、「基礎医学と臨床医学」、「医学科と看護学科」、「産・官・学」の連携を強みとした本学ならではの特色ある研究を戦略的に推進したいと思います。

 教学マネジメント体制の充実に向けては、大学全体における各部門、そして各自の使命・役割を明確化し、それぞれが目標と責任を持ち、行動し、適正に検証を行い次のステップにつなげていく「自律的な発展を恒常的に継続させる学内風土」を醸成していきたいと思います。そして何より、一人ひとりを尊重し、それぞれが個性及び能力を十分に発揮できる柔軟かつ強靱な大学作りを目指します。

東京医科大学 学長
林 由起子

林 由起子(はやし ゆきこ)
1961年10月19日生(56才)

【学歴・職歴】

1986年 3月 東京医科大学 卒業

1995年 2月 医学博士 順天堂大学 乙 第1206号

1986年 6 月 順天堂大学 脳神経内科学講座 研修医

1991年 3 月    同   上       助手

1991年 6 月 国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部 流動研究員

1999年11月 国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部 第一室長

2013年 8 月 東京医科大学 神経生理学講座 主任教授

2014年10月 東京医科大学 病態生理学分野 主任教授(組織変更・現在に至る)

2014年 7 月 東京医科大学 校医(~2015年8月)

2015年 9 月 東京医科大学 副図書館長

2016年 2 月 東京医科大学病院 遺伝子診療センター 副センター長

2018年 4 月 東京医科大学 医師・学生・研究者支援センター 副センター長

2018年10月 東京医科大学 学長

【学会認定医・指導医等】

日本生理学会 認定生理学エデュケーター、日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医、日本神経学会 認定医・指導医、日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医

【学会役員等】

日本生理学会 理事、日本筋学会 理事、日本神経学会 代議員、アジア・オセアニア筋学会 理事、日本学術会議 連携会員

ページトップ