約的に取り組んでまいります。統一目標は「分解機構の解明とその制御法(manipulation)の開発」です。しかし,これらの研究成果は,「分解系」の全臓器に及ぶ普遍性からも明らかのように,今後さまざまな疾患領域との関連性と生み,研究分野の裾野が益々広がっていくことが予想されます。さらに多くの研究者の方々への本プロジェクトの参加を期待しております。 本文へスキップ

文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

ご挨拶INTRODUCTION

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「分子標的探索センター」の開設にあたって

CEO

この度,文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「機能性磁性ナノビ−ズ技術を基盤とする難治性疾患におけるタンパク質分解機構の解明と新規治療法の開発」(事業番号S1411011:平成26年度〜30年度)の採択により,「分子標的探索センター」を開設する運びとなりました。

本学ナノ粒子先端医学応用講座 半田 宏 教授らが開発したFGビーズ(別名 半田ビーズ)は,表面に種々のリガンド(タンパク質,核酸,化合物)を固相化できるナノ微粒子で,これを用いたone-stepアフィニティー精製により,リガンドの「標的」を迅速に単離する新技術が確立されました。新設する「分子標的探索センター」(大久保キャンパス第一校舎内)は,このFGビーズを用いたアフィニティー精製技術と質量分析とを連動させた分子標的の同定ならびにパスウエイ解析技術を集約させたセンターです。

この新技術の成功例の一つとして, FGビーズにサリドマイドを固相化することで,サリドマイドとの結合タンパク質セレブロン(CRBN)が同定され,サリドマイドによる催奇形性の分子メカニズムが解明されたことは広く知られています(Ito T et al. Science 2010)。この発見を契機に,多発性骨髄腫や骨髄異形成症候群の一型5q-症候群に有効性の高い新規サリドマイド誘導体IMiDsの開発,さらにはCRBNのパスウエイ解析によるこれら難治性疾患の分子病態解明へと大きく展開されています。 この事例が示すように,既存薬の標的分子の同定とそのパスウエイ解析は,新たな分子病態や創薬へと,現時点で私たちが予想もしない新学術領域へ発展する可能性を秘めています。FGビーズはその後も様々な生体分子の「標的」の同定に成功しています。本プロジェクトでは,このような既存薬剤を含む様々な化合物の標的分子の同定と,これまで本学の各研究室が取り組んできた分子病態解明との相方向のアプローチを融合させ,本学独自のイノベーションを創生することを目指しています。

アフィニテイービーズ技術は,今後も様々なプロジェクトへと応用されていくと考えます。より多くの研究チームの参画により,当センターが有機的に機能し,「戦略的研究基盤形成支援事業」として相応しいものに,さらに拡大発展することを心から願っております。

プロジェクトリーダー
医学科 生化学分野 主任教授
宮澤 啓介


メンバー構成

宮澤 啓介
生化学分野 主任教授(プロジェクト代表者
半田 宏
ナノ粒子先端医学応用講座 特任教授 / 東京工業大学 名誉教授
中島 利博
医学総合研究所 教授
林 由起子
病態生理学分野 主任教授
平本 正樹
生化学分野 講師






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研究室へのリンク

生化学分野(宮澤・平本)
ナノ粒子先端医学(半田)
医学総合研究所(中島)
病態生理学分野(林)

東京医科大学 分子標的探索センター

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