教授
普神 敬悟
概要
教育では、「化学」を中心に第一学年の講義・実習を担当しています。医学を学ぶ初歩として、生命活動を支える生体分子の構造や機能、私たちの生活に不可欠な様々な物質の性質の理解は大切です。そのため、化学結合・分子の三次元構造・分子構造と化学反応性の関係などミクロな取り扱いを縦糸に、化学熱力学・化学平衡・酸化還元反応・反応速度などマクロな取り扱いを横糸にして、化学現象を分子の視点から理解させることを目的として、「化学」の講義と実習を行っています。また、e -自主自学を利用した復習テストで知識の定着をはかれるよう努めています。
研究では、有機合成の手法を駆使して新規な化合物を合成し、その機能を検討しています。具体的には、球状シリカゲルを鋳型とする官能性新規単分散ポリマーゲルを合成し、これを分離剤とする糖類など生体関連化合物の精密分離法の開発を目指しています。また、活性酸素種の変換を行なう新規ポルフィリン化合物を合成し、タンパク質変性疾患の治療のための新規薬剤や新規酸化反応触媒の開発も行っています。さらに、金属イオンを選択的に認識する新規なフルオロフォアの開発など、多岐にわたる研究に挑戦しています。これらの研究では、北里大学・京都大学・東京理科大学・日本大学などの研究室との共同研究も行われています。また、本学消化器・小児外科学分野および細胞生理学分野における研究をお手伝いさせて頂きました。
化学教室には、核磁気共鳴分光器(FT-NMR)・赤外線吸収スペクトル装置(FT-IR)・ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)・飛行時間質量分析計(LC-TOF-MS)・高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの各種分析機器が整備され、全学の研究者による利用も受け入れています。
以上のように、化学教室ではスタッフ全員協力して、教育と研究を推進しています。
教育内容
主な研究領域(研究内容)
- 遷移金属触媒を活用する有用化合物合成反応の開発
- 低分子化合物の自己組織化による超分子構造体の構築
- 生体関連化合物分離用の新規な分離剤の開発
- 活性酸素種を操る新規薬剤/触媒の開発
- 新規なフルオロフォアの開発
- 機能性色素の合成と応用