主任教授
長尾 俊孝
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概要
本学における病理学の歴史は古く、東京帝国大学から移籍され大変ご高名な病理学者であった緒方知三郎先生(幕末の蘭学者・緒方洪庵の孫、本学初代学長)の流れを汲みます。
人体病理学分野は基礎医学系に属しながらも、大学病院病理診断科との兼務により、活動の拠点を病院内に置き、教室員全員が一丸となって正確で迅速かつ臨床に役立つ病理診断(組織診:年間約17,000件、細胞診:年間約25,000件)の実践に日々努めています。
医学科学生教育に当たっては、講義・病理実習を通じて、基本的病変および主要疾患の原因や発生機序を形態学的立場から学ばせています。それと同時に、臨床的事項と病理学的変化を関連付けて考察する素養を身に付けさせています。また、臨床実習では病理診断の医療における意義や重要性を理解させています。
研究面では、病理形態学的なものから分子生物学的なものまで幅広い手法を駆使しながら、唾液腺、呼吸器、膵・胆道系、眼、口腔等、種々の臓器に発生する腫瘍の臨床病理学的・分子病理学的解析やアルツハイマー病
を主体とした神経変性疾患の分子病理学的病因解明など、多岐にわたる研究課題を遂行しています。
教育内容
主な研究領域(研究内容)
- 唾液腺腫瘍の臨床病理学的・分子病理学的解析
- 唾液腺癌におけるバイオマーカー検索とコンパニオン診断薬の開発
- 唾液腺癌における個別化医療を目指した新規治療法の開発
- 肺癌の臨床病理学的解析と分子標的治療に関連した遺伝学的解析
- アルツハイマー病などの神経変性疾患における早期診断新規バイオマーカー検索と病理学的病因解明
- 膵・胆道系腫瘍の臨床病理学的・分子遺伝学的解析
大学院医学研究科について
担当科目名名称
人体病理学
講義概要
当教室では、形態学的な病理診断学を基盤としながらも、臨床病理学的解析に分子病理学的分析を加えた人体の疾病の解明に直接結び付く研究を行っています。
研究内容としては、唾液腺、呼吸器、膵・胆道系、眼、口腔等、種々の臓器に発生する腫瘍における臨床病理像の確立、病理学的予後因子の同定、鑑別診断に有用な病理学的因子の同定、病理組織像と蛋白発現や遺伝子の異常との関連性の解析、新しい疾患単位や組織学的亜型の提唱などが挙げられます。とくに唾液腺癌においては、バイオマーカー検索、コンパニオン診断薬の確立、および個別化医療を目指した新規治療法の開発に注目した研究を遂行しています。また、アルツハイマー病を主体とした神経変性疾患においては、形態学と分子病理学を融合させた病因の解明とともに、早期診断に有用なバイオマーカーの検索も行っています。
人体病理学では、他分野からも柔軟に大学院生を受け入れ、大学院教育においては大学院生が主体的に研究を行うも、教室員全員が親身になって指導する体制が確立しています。また、研究と並行して病理診断の基礎も習得させています。