高齢総合医学分野

shimizu.jpg

主任教授
清水 聰一郎

概要

高齢総合医学の目標は高齢者のADL、QOLを維持・向上させ、健康寿命を延伸させることです。しかし、高齢者では認知症、フレイル(高齢者の虚弱状態)、嚥下障害、転倒などの老年症候群がこの目標の達成を阻んでいます。当教室では老年症候群に対してその評価や成因解明に始まり、最終的には予防法、治療法、介護法の開発や個々の高齢者のトータルケアに取り組んでいます。

この老年症候群に対する研究成果を活用し、その成果を多職種との連携で応用・実践しています。既に始まっているこの高齢化社会を、高齢者が活き活きと過ごせる活力あるものにすべく、当教室は貢献しつづけて参ります。

なお、高齢総合医学分野は2023年4月に総合診療医学分野と統合しました。医療面接、身体診察から鑑別診断を考え、検査で診断を確認していく臨床推論やエビデンスに基づいた治療(EBM; Evidence Baced Medicine)ならびにNBM(Narrative Based Medicine)の実践と教育を担当しています。2020年から始まった新・専門医制度で「総合診療専門医」が創設されました。この専門医を多く世に送り出すことも大きなミッションのひとつです。

教育内容

主な研究領域(研究内容)

  • 糖尿病性認知症の病態解明研究
  • 髄液中オレキシン濃度と神経変性疾患の関連に対する調査研究
  • 高齢認知症患者の身体合併症の調査と包括的診療に関する研究
  • 高齢者総合的機能評価CGA(Comprehensive Geriatric Assessment)の開発と解析
  • 脳血管障害性病巣の成因に関する脳神経MRI画像の研究
  • アルツハイマー病における脳神経病理および分子遺伝学的検索
  • レビー小体型認知症における脳神経病理、生化学、脳機能画像による病態解明研究
  • 高齢認知症患者の介護負担に関する研究
  • フレイルおよび高齢者栄養管理に関する調査研究と予防法の開発
  • 高齢者のサルコペニアの病態学的研究とそれに対する栄養・運動介入研究
  • 神経変性疾患と網膜の関連に関する研究
  • 神経変性疾患の病因解明に関するタウPET研究
  • 脳情報技術(BCI:Brain-Computer Interface)を用いた認知機能評価法の研究
  • 医師のプロフェッショナリズム
  • 医師ー患者関係
  • 臨床推論
  • 医学教育
  • シミュレーション教育
  • 医療面接
  • 臨床倫理
  • 禁煙治療

大学院医学研究科について

担当科目名名称

老年医学、認知症学、脳神経科学、総合診療医学

講義概要

高齢者診療に必要な幅広い総合医学的知識を実際の症例を通じて習得していきます。また、認知症、フレイルなどの老年症候群への研究に従事し、病態・病因への理解を深めていきます。新たな疾患概念の提唱や、新しい診断方法や治療法の開発を目指します。

高齢者医療への専門医を育成することで、これからの高齢化社会へ向けての貢献を考えています。

総合診療領域(プライマリ・ケア、家庭医療、地域医療等を含む)では、基本的な研究能力をもち、人間味にあふれる総合診療専門医として活動することができる指導者の養成です。新しい診断方法、診断推論、医療形態の導入、そして総合診療を発展させる柔軟な思考力や実行力を養うことを目標としています。

ページトップ