東京医科大学(学長:林 由起子/東京都新宿区)組織・神経解剖学分野(高橋宗春主任教授)の大山恭司准教授、篠原広志講師、東京医科大学病院 卒後臨床研修センター 大村捷一郎臨床研修医、同大医学科第5学年 嘉和知朋美らの研究グループは、学習・記憶を支えるニューロン新生を司る海馬神経幹細胞の中に、転写因子pSmad3を発現するサブタイプが存在することを明らかにしました。さらに海馬歯状回アストロサイトの多くがpSmad3とOlig2を共発現する新規アストロサイトサブタイプ(pSmad3+/Olig2+アストロサイト)であることを発見しました。本研究成果は、オープンアクセス神経科学専門誌「Frontiers in Neuroscience」に掲載されました(現地時間2023年9月18日公開)。
本成果は、今後、このような細胞サブタイプの存在が、海馬の学習・記憶の機能細分化の基盤となっているかどうかを検証するための糸口として期待されます。
【研究のポイント】
- 転写因子pSmad3とOlig2の発現により、海馬神経幹細胞(pSmad3+/Olig2-)とアストログリア(pSmad3+/Olig2+)を見分けることができる。
- 海馬アストログリアの多くはpSmad3とOlig2を共発現する新規のアストログリアサブタイプ(pSmad3+/Olig2+アストロサイト)である。
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前列(左から):篠原広志講師、大山恭司准教授

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