2026/09/14
看護学科 国際交流

【看護学科】海外看護研修に学生が参加(研修先:タイ、オーストラリア)

 看護学科国際活動推進委員会は、学生や教員の国際活動の推進を図ることを目的として活動をしています。2026年3 月に開催された本学指定の学生看護研修(企画:株式会社アトラス旅行)に、看護学科の海外研修助成*を受けて参加した学生から参加報告をご紹介します。
*:「2025年度 東京医科大学看護学科 海外研修助成金」として学内公募し、研修費用の一部を補助

<2025年度 海外研修助成実績:6名>タイ:1年生2名、2年生1名、オーストラリア:3年生3名(学年は研修参加時点)

(看護学科国際活動推進委員会)

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■タイ看護研修参加報告


 8日間のタイ看護研修は、これまでの学びを大きく広げる貴重な経験となりました。私は海外での看護の活動に興味があり、医療資源や体制が日本と異なる地域の医療現場の現状を実際に見て学びたいと考え、この研修に参加しました。

 公立の総合病院では外来や病棟、ICUなど様々な臨床現場で、チーム医療や退院指導の実際を見学することができました。タイの看護師の患者や家族との関わり方は家族に対するケアの指導が多いといった点で日本の看護とは異なるように感じました。産婦人科では父親の育児指導や母子手帳を導入しているなど日本の医療現場と似ている点もあることを学びました。また、タイには伝統のハーブを用いた治療やマッサージ、サウナなどの伝統医療があり、現代医療か伝統医療かを自由に選択できるようになっていました。この研修では実際に伝統医療を体験してその効果を実感することができましたが、伝統医療はエビデンスが少ないことや施術の質に差があるなど課題があることも知りました。訪問看護では診療看護師(NP:Nurse Practitioner)に同行し、在宅での看護実践を見学しました。タイでは、保健ボランティア(VHV:Village Health Volunteers)の方々が地域住民の健康相談や健康の見守り活動、身の回りの世話を行っています。同行した訪問看護では、VHVがチーム医療の一員としてNPと協働する場を見学し、医療資源が乏しくサービスが届きにくい地域ではVHVが重要な役割を担って人々を支えていることを学びました。VHVの活動はタイで発展した地域保健システムであり、日本とは異なる医療提供体制は興味深く理解を深めることができました。

 最後に、現地の看護大学看護学部の学生との交流を通して、大学内の演習室を見学し学習方法を学んだり、将来の働き方に対する考えを共有できたことも大きな経験となりました。この研修を通して、今まで触れてこなかった海外の看護のあり方を知り、今後の学習への意欲が一層高まりました。

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■オーストラリア看護研修参加報告


 2026年3月17日から10日間、オーストラリアでの看護研修に参加しました。日本と医療制度に類似点のあるオーストラリアで看護を学び、日本での看護実践にも活かしていきたいと考えたからです。現地では、ブリスベンとゴールドコーストにキャンパスを持つグリフィス大学で主に研修を受けました。研修ではオーストラリアの医療制度について講義を受講したうえで、大学のナーシングラボや私立の病院、診療所の視察を行いました。私立病院では、保険加入者を対象とした迅速な医療提供と快適な療養環境が整備され、対象者の満足度向上を重視した医療現場を視察することができました。その一方で、公立病院では税金による運営のため、患者が長い待ち時間を避け救急外来に集中するなどの課題があることを知りました。このことから、日本の医療制度は皆保険制度のもとで受診しやすい環境が整っているが、その質と持続性を保つために限られた資源の中で公平性を守りながら医療を提供することが求められていることを再認識しました。

 また、オーストラリアの看護カリキュラムでは歴史背景と文化保全のため先住民族のアボリジニについて学ぶことが必修とされています。本研修でも多文化社会での医療システムの講義が含まれていました。アボリジニの人々は白人と比べて平均寿命が低く、慢性疾患罹患率が高いなど、健康格差がある現状を知り、その背景には文化的・社会的要因が複雑に関係し、健康管理や予防医療への意識が十分に浸透しにくいことが影響していると理解しました。こうした課題に対し、個人の価値観や文化を尊重しながら支援する医療の重要性を学びました。

 ホームステイでは、家事を家族で分担する生活様式や早朝から活動を始める生活に触れ、異なる文化や習慣を受け入れながら相手と関係を築くことの大切さを実感しました。今回の研修を通して、自分の看護観を広げる機会を得ることができ、貴重な経験をさせていただいたことに心より感謝しています。

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