アトピー性皮膚炎外来

アトピー性皮膚炎とは

伊藤友章

アトピー性皮膚炎は、幼少時期に発症し再燃を繰り返しながら各年齢層に特徴的な皮膚症状を呈する病気です。 皮膚症状の原因としては、I型及びIV型アレルギーだけでなく、皮膚のバリアー機能低下、嗜癖的掻破行為(癖になって掻く事) など様々なものがあり、個人により原因が異なる病気です。以前は、幼少時期だけの病気といわれていましたが、 現在は成人の方にも多く認められます。当科にも幼児から高齢者まで幅広い年代の方が受診されています。

アトピー性皮膚炎の当科における治療方針

アトピー性皮膚炎の方に対して、まず悪化因子の精査を行っています。精査は、主に血液検査によるアレルゲンの特定を行い、場合によっては、皮内テスト、スクラッチテスト、パッチテスト、紫外線検査などを行います。治療は第二世代抗ヒスタミン薬(ビラノア®、ルパフィン®、ザイザル®等)の内服薬を基本とし、外用薬については顔面・頸部はタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏®)やmild クラスのステロイド軟膏(ロコイド軟膏®やキンダベート軟膏®)を中心に使用し、症状に合わせてこれらの軟膏の間歇療法を行っています。体幹・四肢は皮膚の症状によりますが、ステロイド軟膏と保湿剤を中心に治療しています。例えば、厚さのある病変についてはvery strongクラス(アンテベート軟膏®、マイザー軟膏®等)で治療を開始し、症状の軽快とともにstrongクラス(メサデルムクリーム®、リンデロンVG 軟膏®等)に切り替え、プロアクティブ療法(週1-2回外用する治療方法)を積極的に導入し、悪化を未然に防げるように指導します。また、十分に外用できていない患者様には、看護師による塗り方指導を行っております。外用療法で改善がみられない場合、免疫抑制薬(ネオーラル®)を一時的に服用し、またナローバンドUVBを用いた紫外線療法も行っています。2018年よりアトピー性皮膚炎の新しい治療薬(デュピクセント®)が使用できるようになり、2週間に1回の皮下注射を行います。重症の方には大変有効です。 2019年5月より在宅自己注射が可能となり、通院回数を減らすことができます。また、小児のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーが関与していることがあり、小児科アレルギー外来と連携しながら治療しています。

蕁麻疹

蕁麻疹の中で最も多いのは、特発性慢性蕁麻疹です。6週間以上連日みみずばれができ、日常生活に影響します。当科の治療方針は、第二世代抗ヒスタミン薬(タリオン®、ビラノア®、ルパフィン®、ザイザル®等)とロイコトリエン拮抗薬とヒスタミンH2受容体拮抗薬の3剤からはじめます。効果不十分な場合は、オマリズマブ(ゾレア®)を月1回皮下注射します。またコリン性蕁麻疹、日光蕁麻疹、特発性後天性全身性無汗症などの治療も行っております。

成人食物アレルギー

近年、成人食物アレルギーの患者様が大変増えております。特に口腔アレルギー症候群(OAS)や小麦アレルギー(小麦運動誘発性アナフィラキシーを含む)やアニサキスアレルギーが目立ちます。原因食品を同定するために血液検査やアレルギー皮膚テスト(プリックテスト)を行っています。診断のついた患者様には、アドレナリン自己注射製剤 エピペン®を処方しています。

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