パッチテスト外来

当院パッチテスト外来では毎週火曜日の午後に以下のような皮膚検査を行っています。

  • パッチテスト
  • プリックテスト
  • MED測定

パッチテスト

アレルギー性接触皮膚炎や薬疹の診断に有用な検査法です。原因として疑われる物質(アレルゲン)を背中もしくは上腕(二の腕)に貼付し、貼付してから48時間後、72時間後、1週間後に判定します。代表的に用いるアレルゲンシリーズとして、ジャパニーズスタンダードアレルゲンや金属アレルゲンがあります。その他、患者様が実際に使用されている製品を使用したパッチテストも施行しています。

パッチテスト1・2

ジャパニーズスタンダードアレルゲン
日本接触皮膚炎学会で至適濃度および基剤が決定されている25種類のアレルゲンを用いて検査を行います。ジャパニーズスタンダードアレルゲン21種類とメルカプトベンゾチアゾールを組み合わせたパッチテストパネルを使用した検査も行っています。
金属アレルゲン
金属22種類を用いた検査を行います。
持参品パッチテスト
日用品、化粧品、医薬品や衣類などを用いてパッチテストを施行します。陽性反応が確認できた場合には、可能な限り問い合わせを行い、各種成分を用いたパッチテストを施行し、原因成分の同定を行っています。

 

外来当日、検査にかかる時間の目安はおよそ30分です。

 

貼付日(火曜日)以外に、同じ週の木曜日と金曜日、次の週の火曜日に来院が必要です。検査試薬貼付後48時間までは、入浴(シャワー)などは控えてください。検査の正確を期すために汗をかきやすい夏季(7-9月)は外来通院でパッチテストは行っていません。早急な診断が必要な場合には入院での検査を行います。また、妊娠中の患者様や、経口ステロイド(プレドニゾロン15mg/日 以上)を内服している患者様はパッチテストを実施できません。

プリックテスト

即時型アレルギーにおいて原因アレルゲンを検索する目的で施行します。皮膚科でみられる即時型アレルギーとは、蕁麻疹、血管浮腫、口腔アレルギー症候群、運動誘発性アナフィラキシーなどがあります。検査は背中もしくは前腕の皮膚に、原因として疑われるアレルゲンをごく少量投与し、15分後に反応を測定します。反応は必ず陽性となるヒスタミンと、必ず陰性となる生理食塩水と比較することで診断を行います。検査の安全性を高める目的で点滴ラインを確保し、救急カートを準備し検査を行います。

 

外来当日、検査にかかる時間の目安はおよそ1時間です。

 

即時型アレルギーを疑う場合にプリックテストや血清中の抗原特異的IgE 測定を含めた抗原のスクリーニングを目的とした網羅的な検査は推奨されていません。当科ではプリックテストの予約を行う際に詳細な問診を行い、検索するアレルゲンを限定した上で検査を行っています。

光線過敏試験(MRD、MED測定)

光線過敏症を疑った際にUVAとUVBを照射し、反応の程度を調べます。光線治療で一般的に使用する光源を用いて背中に照射します。UVAは5、10、15 J/cm2、UVBは20~160 mJ/cm2を照射し、24時間後と48時間後に照射部位に紅斑がみられるかどうかを判定します。通常、日本人はUVA照射により紅斑を生じることはなく、UVB照射では50~120 mJ/cm2で紅斑がみられます。その他、可視光線による照射テストや光パッチテストも行っています。テストの結果、照射部位に日焼け様のシミが残ることがあります。

 

外来当日、検査にかかる時間の目安はおよそ1時間です。

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