白斑外来

当院皮膚科白斑外来は白斑に詳しい医師が火曜日午前、金曜日午後に担当しています。まず一般外来の初診を受診していただき、一般的な説明、血液検査などを受けてから、次回に白斑外来を予約しております白斑外来では、以下の疾患を否定するとともに、主に尋常性白斑の患者様を拝見しています。

脱色素性母斑
生まれつきの白あざですが、出生時に気づくことは少なく、3歳くらいまでにはっきりしてくることが多いです。
サットン母斑などのサットン現象
例えば、ほくろの周りが白くなるなど。のちに尋常性白斑を合併することがあります。
老人性白斑
年齢とともに増加する境界不明瞭な小白斑が特徴です。
炎症後色素脱失
湿疹ややけどなどの炎症があった部位に出現します。
単純性粃糠疹(はたけ)
学童児の顔面に好発します。日焼けにより目立ちますが、数カ月で消えます。
白色癜風
マラセチアという常在真菌(カビ)の皮膚感染症です。
フォクト-小柳-原田病
ブドウ膜炎、髄膜炎、難聴を伴います。
梅毒性白斑
後天性梅毒に伴ってまれに出現します。
化学物質による白斑
ハイドロキノン誘導体、カテコール化合物、フェノール化合物などの反復接触によって起こります。

尋常性白斑

人口の0.5~1%程度に見られる比較的ありふれた疾患です。色素細胞関連分子に対する自己免疫疾患です。非分節型、分節型、混合型の大きく3つの病型に分かれ、それぞれたどる経過が異なります。例えば非分節型は比較的落ち着いている時期と拡大あるいは新生する時期を繰り返しながら徐々に進行することが多いです。そして全身のどの部位にも出現する可能性があります。

当科における尋常性白斑に対する治療

外用療法(ステロイド薬やタクロリムス軟膏など)
効果を認めるのに数カ月要します。外用治療中の方は数カ月毎の通院で結構です。
紫外線療法(ナローバンドUVB療法、エキシマライト・レーザー)
週に1日程度の通院が必要で効果判定に約半年間を要します。効果があれば継続しますが、皮膚がんの発生リスクが上がるため計200回を超さない程度に行います。紫外線量を上げる過程で紅斑、水疱、びらんなどの刺激症状が出現することがあります。有効であれば、白斑部分に点状に色素再生することが多いでが、白斑の周りの皮膚の色が黒くなることがあります。
内服療法
白斑が急速に拡大している場合は、短期間、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬などを併用することがあります。
カバーメイク
白斑用のファンデーション、タンニングをお勧めしています。これを使用することで患者様の精神的な負担が軽減することが多いです。
1mmグラフト植皮術
①~④すべてを満たす人( ①若年者、②外用療法や紫外線療法に効果がないこと、③数年間拡大のない、④顔や首などの露出部)に適応があります。日帰りで治療が可能です。植皮後、紫外線療法を半年間程度行います。効果は個人差が大きいので、まずは小さい範囲で試験的に行います。自費治療です。
著効した患者さんの写真を示します。 1mmグラフト植皮術 経過

白斑の治療効果

出現して長い時間が経過した部分や、突出している部分(手足、肘、膝)は効果が乏しいことが多いです。逆に顔や首は他の部位に比べて効果が高い印象があります。効果を認める場合でも色素はゆっくり回復するので、白斑外来では定期的に写真を撮って効果を確認しています。

白斑外来では生活指導もおこないます

白斑は強い日焼けや物理的な刺激を受ける部位に出現しやすい傾向にあります。ベルトを強く締めすぎる、下着やアクセサリーなど肌に擦れる素材を身に着けている、タオルを用いて擦って体を洗っている、あかすり、など日常生活の悪化要因を発見し指導するように努めています。

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