先制医療による健康長寿社会の実現を目指した低侵襲医療の世界的拠点形成事業

平成29年度 文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」タイプB(世界展開型)に選定

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ひとに、社会に、時代にもっとやさしい医科大学へ

~低侵襲医療の技術開発による先制医療の推進でイノベーションを起こし、地域そして世界の健康と福祉に貢献する~

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東京医科大学 学長 鈴木衞

 この度「先制医療による健康長寿社会の実現を目指した低侵襲医療の世界的拠点形成」が、文部科学省平成29年度私立大学研究ブランディング事業に選定されました。
 

 本学では、ロボット支援手術において国内有数の拠点となるなど、疾病を安全に「根治」することと患者の心身への負担を軽減する「低侵襲医療」の両立を長年進めてきました。しかし、近年、それ以上の速さで医療の課題は拡大しています。


 そこで本学では、この時代の転換点を乗り越えるため、2016年の創立100周年記念事業の一つとして「東京医科大学ビジョン2025」を策定し、本学のミッションを「建学の精神と校是に基づき、思いやりの心と深い教養に裏付けられた最高水準の技能を持った医療人を育成するとともに、臨床を支える高度な研究を推進し、地域そして世界の健康と福祉に貢献すること」と再定義しました。
 

 このミッションに基づき、培ってきた技術と考え方をさらに進め、次世代の医療の創造を加速すべく、唾液や尿、血液など容易に採取できる(低侵襲、非侵襲)検体を用いた検査を新たに開発し、革新的な検査方法へと発展させることを考えました。これにより、疾患の早期発見と早期治療、さらには発症前発見による早期介入を可能にする新たな先制医療の実現を目指しています。

事業概要

 東京医科大学は、内視鏡的レーザー治療、インターベンション、手術支援ロボットの活用とともに、診断・治療の機器開発、検査開発など患者の心身への負担が小さい低侵襲な医療を推進してきました。
 本事業では、唾液や尿、血液などの少ない痛みで採取できる検体から、がん・生活習慣病・精神疾患など様々な疾患を同時かつ簡易に検査することが可能となるメタボローム解析を推進します。加えてAI・ビッグデータ解析も応用して、これまでにない未来型の検査手法を確立し、種々の疾病の発症前介入・早期発見・早期治療を実現する「先制医療」を推進します。

 本学から世界へ発信する低侵襲医療の拠点を形成し、先制医療による質の高い健康長寿社会の実現を目指し、これらの事業を本学の特徴として積極的かつ効果的に情報発信し、本学のブランドとして育てます。

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事業内容

1)病気を治すだけでなく、病気になる前に予防する世界の実現へ

 日本では超高齢社会を迎えており、複数の疾病が併発する場合が多く、従来の治療を中心とした医療の限界の懸念があります。特に2人に1人ががんになる時代となり、医療の高度先進化と絶対罹患数増に伴う二重の医療費増が進むため、この対策として従来の医療の概念を変えるパラダイムシフトが必要となっています。
 そこで、本事業では①健康増進(できる限り健康なまま年齢を重ねる)、②先制医療(疾患発症前に個々の病気を予防する/早期に疾患を発見し早期に治療する)の実現を目指し、③低侵襲医療(痛みをあまり伴わない検査・治療)の技術開発・臨床研究に取り組みます。
 つまり、病気になってからの治療だけではなく、健康なうちから個々の生体内の変化をいち早くとらえ、病気になる前に予兆を調べ、個人ごとに適切な介入を行う予防医学の実現を目指します。

 本研究成果が実用化できれば国⺠個⼈の⽣活の質(QOL)の向上だけでなく、国家レベルでの医療費削減にも貢献し、社会的課題の解決に寄与できると考えています。そのために、患者の心身への負担が小さい低侵襲な検査・治療方法の確立をはじめ、収集したデータのAIを用いたビッグデータ解析によってよりきめ細かいテーラーメード医療や、医療資源の最適配分の実現を目指します。また、看護や介護の分野への応用も視野に入れて、医学の範囲を超えて学際的な取り組みを目指します。


2)唾液1滴で全身を調べる未来型検査の開発
 生体内の様々な分子を一斉に測定できる技術を用い、体の中で起きる微細な変化も早い段階で検知できる技術を確立します。がんを初めとして糖尿病・高血圧などの生活習慣病や、うつ病などの精神疾患、慢性疲労など様々な疾病を対象とします。唾液・尿・血液など簡便に採取できる検体多数の疾患を同時に検査できる従来にない全く新しい検査を開発します。
 本学内では低侵襲医療開発総合センターを開設し、学内だけで分析技術・情報処理技術の開発と臨床研究を進められる体制を構築しました。
 また、学外とも多数の共同研究を実施しており、更に本学の立地条件も活用しハイボリュームな臨床研究と基礎研究の密な連携で実用化を見据えた研究技術開発を行います。
 さらに、予防医学・先制医療の啓発活動など、国民への積極的な情報発信を行います。これらの活動を通して、本学のブランド力を強化していきます。

事業目的

先制医療による健康長寿社会の実現に向けて

 本学では、もともと低侵襲な⼿術を可能とする手術支援ロボット(ダヴィンチ)など「やさしい」医療の実用化を得意としてきました。工学院大学とも低侵襲医療機器の「ものづくり」に関する連携 を行っています。さらに、代謝物質を網羅的に分析・解析するメタボローム解析を活用した、新しいバイオマーカーの開発も多数実施してきました。

 そこで、新たに学長を中心とした全学的な運営組織で、臨床・基礎全体にわたって横断的に情報や研究リソースを共有し、効果的な研究を推進すると同時に、都心の大学であるという情報発信力の高さを活かしながら、本研究活動をブランドコアとした情報発信・共有活動を行うことで本学ブランドとして構築することを目指します。
 医科大学である本学では、新規検査・治療などの研究成果を実際の臨床現場へ導入し、その評価を研究へフィードバックし、改善を図ることができるのが特徴です。疫学調査、遺伝子解析などを併用して、早期治療のためのバイオマーカーを同定し、ストレス状態を客観的かつ簡便に評価できる検査技術の開発へと発展させ、「本学から世界へ発信する低侵襲医療の拠点を形成し、先制医療による健康長寿社会」の実現を目指します。



研究内容と期待される研究成果

1)メタボローム解析による低侵襲検査を可能とする疾患マーカー探索と大規模臨床評価

 さまざまな疾患を対象に研究を進めますが、まずは発見が難しいすい臓がんの検査の開発を目指します。さらに他のがん(例えば肺がん・大腸がん・乳がんなど)の臨床研究も行い、最終的にはこれら複数の疾患を同時に検査できる方法を開発します。早期発見だけでなく、抗がん剤や放射線治療などの治療効果のモニタリングなど様々な応用範囲も探索します。


2)ラボレベルの新しい測定技術を実応用可能な技術へ

 本学の研究成果を活かし、高感度化などの検査技術開発だけでなく、採取した臨床検体の取り扱いの標準化も含め、正確かつ再現性が高い測定方法やデータ解析方法を開発し、実用化を見据えた研究開発を行います。


3)新規検査技術+医療情報+AI+ビッグデータ解析による新しい医療の実現

 単に検査値(分子の測定値)で異常値を示す検査ではなく、個人の背景情報(家族歴や生活習慣、ほかの検査による結果など)も組み合わせて、どのような病気のリスクが高いか、どのような検査・治療を受けるべきか、何の生活習慣を変えればどのように体質が改善するかなどを算出するソフトウェアの開発を行います。ともすれば過剰になりがちな標準治療から、個々の患者に合わせたテーラーメイドな医療にシフトさせる情報工学の基盤を確立します。さらに、医療機関としてはどのような資源を配分すれば、有効な医療経済効果が期待できるかを定量的に予測することを追及します。
 これらの研究を国内外の様々な大学と共同で実施し、本学を低侵襲医療の世界的な拠点とします。研究成果の創出・若手研究員の育成とともに、本事業の積極的な情報発信によって本学のブランド化を強化し、「低侵襲医療」の東京医科大学が広く認知されるようにします。

事業実施体制

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お問い合わせ

東京医科大学 総務部総務課
住所:〒160 - 8402 東京都新宿区新宿6 - 1 - 1
電話:03 - 3351 - 6141

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