「東京医大の研究」特設サイト
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「患者に優しい医療(低侵襲医療)」の実現に向けた研究活動

「患者に優しい医療(低侵襲医療)」
実現に向けた研究活動

02 リキッドバイオプシーによる低侵襲性の診断法の開発 Research

Research

産科婦人科学分野 婦人科癌のバイオマーカーとしての血清中マイクロRNAの活用

マイクロRNA は直接タンパク質をコードしない 20-25 塩基長前後の短鎖RNAであり、標的遺伝子の 3′ 非翻訳領域中の相補的配列に結合したり、直接メッセンジャーRNAに結合しその翻訳を抑制することで、さまざまな生命現象を調節しています。マイクロRNA は血液中でも安定的に存在し、その発現パターンががんを含む種々の疾患で変化することが報告されており、診断・治療に関するバイオマーカーとしても有望視されています。我々は、婦人科癌の患者さんを対象に、分子生物学的手法を用いて マイクロRNA の発現解析およびその標的遺伝子を探索し、病態のメカニズムや相互関係を検討しています。また、安全で安定的な低侵襲性の診断法の開発に向けて研究を行っています。

【分野HP】
東京医科大学 産科婦人科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2021年12月 2016年7月

細胞生理学分野 リキッドバイオプシーによる血管病変の早期診断

血管病変の末期像として大動脈瘤や動脈硬化による心筋梗塞などが知られています。これら血管の疾患は進行途中での自覚症状はなく、大動脈瘤の破裂や臓器の虚血といった高度に進行した時期まで気が付かれず生命予後を左右することが多くあります。我々は、動脈特異的に発現するミオシン重鎖サブタイプであるmyosin-11が、健常者にくらべて大動脈瘤や動脈硬化の方の血中により多く存在することを明らかにしました。現在myosin-11の検出方法の精度向上の検討と、病期による血中myosin-11の増加パターンを検討することで、血管病変を早期に検出して疾患の進行を予防できるように研究を進めています。

【分野HP】
東京医科大学 細胞生理学分野
【研究実績に関する主な論文】
2021年7月16日 2018年7月13日オンライン

眼科学分野 リキッドバイオプシーによる難治性眼疾患の診断

眼疾患の中には診断の遅れが視力の喪失のみならず、生命を脅かすこともあり、早期診断に役立つ何らかの指標、すなわちバイオマーカーの確立が望まれています。一方、眼疾患では対象となる臓器が解剖学的に精緻であるため、組織の直接的な採取による診断、すなわち生検は合併症のリスクが高いのが実情です。 そこで我々は患者さんの末梢血のほか、比較的低侵襲に採取可能な眼内液を用いて、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームなど、遺伝子、タンパク質、代謝物を対象とした網羅的な解析(オミックス解析)を行い、得られたデータを人工知能によって解析し診断に結び付けていく、高精度なシステムの構築を世界に先駆けて実践しています。

【分野HP】
東京医科大学 眼科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2021年1月21日 2020年9月1日

分子病理学分野 リキッドバイオプシーによるNon-coding RNAによりがん診断法の開発

直接腫瘍からの組織生検で確定診断を行う従来の診断法に対し、血液や尿などの体液中に存在する腫瘍由来の構成成分を検出することでがんの診断を可能にする検査手法をリキッドバイオプシー(LB)と呼んでいます。LBの最大の利点は、採取が簡便で患者さんに対して低侵襲であることです。我々は、世界に先駆けてnon-coding RNAの一つであるmiRNAが血液中に存在し、がんのバイオマーカーとしてLBに臨床応用できることを明らかにしました。さらに現在では、次世代シーケンサー(NGS)による網羅的核酸解析技術を応用し、腫瘍由来のDNAのsignatureの検出を行うTMU Decision®を開発し、臨床応用を目指しています。

【分野HP】
東京医科大学 分子病理学分野
【研究実績に関する主な論文】
2020年12月 2012年7月

医学総合研究所 分子細胞治療研究部門 がんや循環器疾患の早期発見のリキッドバイオプシー

血中をはじめとする体液中に細胞外小胞であるエクソソームが存在していますが、これらエクソソームは様々な細胞が分泌した「カクテル」です。その中から、がん細胞が分泌したエクソソームを捉えることで、がん診断が可能であると考えています。血液や尿の採取は低侵襲的に行えるため、苦痛の少ない診断法となります。エクソソームにはタンパク質やRNAが含まれており、それぞれがん細胞特異的な分子が存在していますので、何を「目印」にして、どのような方法で検出するかが、研究の重要なポイントになります。当研究室ではハイスループット性の高い、エクソソーム検出系を開発しました。この方法を用いて、膵臓がんや大腸がん患者さんの血清に多く含まれるエクソソームの検出に成功しています。また、エクソソームに存在するmicroRNAという小さなRNAを目印にして、動脈硬化に伴う脳梗塞、心筋梗塞などの循環器病をわずかな血液で早く見つける診断方法の確立にも取り組んでいます。

【部門HP】
東京医科大学 医学総合研究所
分子細胞治療研究部門
【研究実績に関する主な論文】
2018年10月17日 2014年4月7日

呼吸器・甲状腺外科学分野 肺癌におけるリキッドバイオプシーの有用性と限界

進行した肺癌ではEGFR遺伝子をはじめとした様々な遺伝子検査を行うことが必須であり、容易に採取可能な血液を用いて調べるリキッドバイオプシーが期待されます。当院で手術を行った150症例を対象として血液と摘出腫瘍検体を用いて次世代シークエンサーで遺伝子検査を行ったところ、腫瘍組織において検出された遺伝子変異とその検出頻度は、EGFR (37%), TP53 (39%), KRAS (10%)であり、一方で血清を用いた検討で検出された遺伝子変異は、EGFR (2%), TP53 (3.3%), PIK3CA (0.7%)であり、腫瘍に比して血清では、遺伝子変異の検出率が低いという結果が得られました。早期の非小細胞肺癌患者においては、cfDNA中の体細胞変異検出率は低く、腫瘍体積が血清中の体細胞変異検出の規定因子になると考えられます。

【分野HP】
東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2016年11月