「患者に優しい医療(低侵襲医療)」の
実現に向けた研究活動
06 低侵襲的内視鏡手術開発 Research
Research
消化器外科・移植外科学分野
(八王子医療センター)
術前3D画像SimulationとICG蛍光法による
切除肝区域Navigationによる低侵襲腹腔鏡下肝切除法の開発
肝臓は門脈の分布によって8つのSegment(亜区域)から構成されています。特に肝細胞癌に対する肝切除では、残肝機能を温存しつつ腫瘍学的な根治性を得るためにも、その亜区域を正確に切除する手技(系統的切除)が必要とされます。そこで、術前CT画像からSynapse Vincentを用いて肝臓の3D構築を行うことで術前シミュレーションを施行しています。さらには、術中ナビゲーションとして担癌Glissonを結紮して、全身ICG注入により目的の肝亜区域領域のNegative Stainingを行い正確な亜区域切除領域を可視化することが可能となります。本研究により腹腔鏡による高難度肝切除の正確性向上に寄与することが期待されています。
消化器内科学分野
悪性胃・十二指腸狭窄に対する超音波内視鏡下胃空腸吻合部の
有効性と安全性に関する研究
悪性疾患(膵癌や胃癌など)により胃十二指腸狭窄(胃や十二指腸の内腔が狭くなってしまうこと)を有する患者さんは、食物の通りが悪くなり食事が思うように摂れなくなったり、吐いてしまうといった症状が出現します。これまでは、外科的に胃と空腸をつなぐバイパス術や、狭窄部に金属ステントを内視鏡で留置し拡げる手技が行われてきました。我々は、この2つの手技の利点を合わせた、低侵襲で確実なバイパスを行うことのできる、「超音波内視鏡下胃空腸吻合術」を開発しました。超音波内視鏡(先端に超音波装置のついた胃カメラ)を用いて、胃から空腸を穿刺し穿刺経路に専用ステントを留置することで、胃と空腸を吻合(臓器と臓器をつなげて新たにバイパス路を作ること)するという処置となります。超音波内視鏡下胃空腸吻合術の有効性、安全性を評価することを目的に、治験や特定臨床研究として行っています。
- 【分野HP】
- 東京医科大学 消化器内科学分野