公募研究募集

平成29~30年度公募研究

公募内容

従来の「セルフ」対「ノン・セルフ」の概念に当てはまらない主要組織適合抗原複合体(Major Histocompatibility Complex:MHC)による抗原提示機構(ネオ・セルフ)が、様々な免疫疾患の発症に関与する可能性が明らかになってきた。本研究領域ではこの新たな抗原提示機構「ネオ・セルフ」を明らかにすることにより、免疫疾患の病態を解明するとともに、有効な腫瘍免疫誘導法を開発する視点からの抗原提示機構の解明に取り組む。すなわち、これまで知られていなかったタイプの抗原―MHC複合体の存在が明らかになったこと、また、このような抗原―MHC複合体が病気の原因になりうることを受けて、「新たな自己(ネオ・セルフ)」の概念を創出する。
このため、以下の研究項目について「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関連する研究を公募する。
多面的・最新の方法論を結集して新たな抗原提示機構とその免疫認識機構を統合的に理解し、ネオ・セルフの概念によって免疫疾患の病態理解にパラダイムシフトをもたらす。そのため、研究項目A01では免疫細胞によるネオ・セルフの生成・認識機構の解析を中心に、MHCと疾患感受性との関連性の解明、自己寛容成立機構の解明、アレルギー発症機構の解明などに取り組む基礎的研究を募集する。また、免疫細胞の生理的機能や、その異常によって生ずる免疫病態の理解につながるような異分野からの参入も歓迎する(例えば、シャペロン研究など)。一方、研究項目A02ではネオ・セルフを解明するための構造生物学、ゲノム情報解析、イメージング、インフォマティクス、1細胞解析といった最新のテクノロジーを提案する研究を募集する。両研究項目ともに、新たな概念であるネオ・セルフのコンセプトを確立・発展させるために、従来の考え方にとらわれず、自由な発想で研究に取り組む若手研究者からの積極的な応募を期待する。

研究項目 応募上限額(単年度) 採択目安件数
A01 ネオ・セルフの機能的理解 400万円 12件
A02 ネオ・セルフの構造的理解 400万円 4件

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